何度かブログにも書いているように彼氏くんはトスカーナで日本人のワイナリーを造ることを目指しています。
知り合いや不動産屋への物件探しはもちろん、銀行へ融資を受けるための話を聞いたり、農業組合へ話を聞きに行ったりと今までいろいろ手を尽くしてきました。
それこそ今まで雪山に行ったり、廃墟に入り込んだり泥にはまったり…
が!
イタリアでワイナリーを作る上で、まだスタート地点なのに様々な壁にぶち当たります。
①金銭的な問題。
家と畑を買うための銀行融資には条件があります。
・仕事の契約書が、イタリアではもらうのが難しい無期限型であること。(年間更新型ではだめ)
・保証人をお願いするならば二親等までの親族であること。
日本人である私たちにイタリアに住民登録している血縁なんて皆無( ̄∇ ̄)
・銀行の融資もここ数年はいろいろ厳しくなり全額融資はほとんど可能性がなく、最低20%は元手がなければならない。
・融資の最高額は収入から計算して月々のローンが収入全体の3割以下でなければならない。
などなど…
県のオフィシャルサイトには地域ごとの登録種類ごとの土地の平均価格がファイルとして納めれています。
森、栗の木の森、オリーブ畑、ブドウ畑など地域や種類によって価格は驚くほど違います。当然ながらキアンティDOCG 地区ともなれば1haあたり700万円以上と高額。
ブドウ畑を買いたいが価格に手が届きません。
②ブドウ畑に関する法律の問題。
では、「ブドウ畑でなく普通の畑を購入しブドウの木を植えよう。」と思ったところにも落とし穴。
トスカーナでは州の中のワインを造るためのブドウを育てていい畑の面積が定められていて、ただの畑を買っても2000㎡以上の面積にブドウの木を勝手に植えることができません。
年一回2月ごろ申請する許可がおり、その時に申請したとしても認められるとは限らない。
つまり元々ブドウ畑でないと折角畑を買ってもブドウを植えられる可能性がないかもしれないのです。
ちなみに2016年以前まではこの「ブドウの木を植えてもいい許可書」は売買できて、ブドウ畑を持っている遠くの州の畑主(例えばシチリアとか)から買って自分の畑のものにできたのです。2年前ならもうちょっと可能性があったのかな…
とりあえず八方塞がり(ー ー;)
さて、唐突に情報回りをした不動産屋の一つから先日連絡が来ました。
家・醸造スペース・1haのブドウ畑と3haの農業用畑がある物件が売りに出ていると。
早速見学。
約束の集合場所↑から不動産屋の方の車の後をついて細道に入る。
車がどの家の前で止まるかドキドキしながらついていくと、かっこいいゲート付きの家!
「これかっ?!」
右に曲がって素通り…
違った。がっくし。
次に見えたのはなんだかオンボロっぽい家…
近づくにつれオンボロどころか廃墟?!
家の中に木が生い茂っているΣ(゚д゚lll)
この前で車停めないで不動産屋さんお願いします!
ブーーーーーーーン…
素通り。
良かったぁ(-.-;)~~~
とロシアンルーレット的にどれに当たるかドキドキしながら進む。
到着したのは何年か人が住んでいなくて壁などはちょっと修復が必要そうだが許容範囲の2階建ての家。
部屋数や醸造スペースは十分そう。あちこっち修理修復が必要そうなのと水の供給や暖房システムなど業者に頼む必要がある部分もある。
でもまぁ、色々見たけれど、お化け屋敷的なのを平気で売ってるのが多いのでいい方かな。
電気可愛い…
さすがイタリア、外にはピザ釜付きです。
さて、畑。
ばんっ!
悪くない…ちっとも悪くない…
今あまり手入れされていないようだけれど、だいたい30歳ぐらいのブドウの木たち。
品種は主にサンジョヴェーゼ。
見てみると、数週間前に見に行ったワイナリーではまだお花だったブドウたち。
この畑ではもう小さな実をつけていました。
仕立てはコルドーネドッピオ。彼氏くんがやりたい仕立て方とは違うので、購入したら大幅に剪定することになるかと。
なかなか立派でしょ?
周りには野生の洋ナシやスモモの木がありました。
畑が手に入ればジャムやリキュール作れる…なんて考えたり。
彼氏くんは手を泥だらけにして地質調査していました。
不動産屋さんや売りに出してるオーナーさん一家
「好きなのねぇ、本当に」
と微笑ましく見守ってくれていました。
普段、秘書の仕事をしているオフィスまでこの先何年も通うことを考えてもオフィスまでの距離も許容範囲。
他の物件の可能性は排除せず、とりあえずこの物件が買えるような作戦を今から立ててみようと思います。
一歩進んで二歩下がってまた一歩進んで…ってやってる感じなワイナリー計画。
それじゃ現在地から動いてないじゃんね( ̄∇ ̄)
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