ワイナリー名と同じでずっとカルロ・タンガネッリさんだと思ってたら…違った…
3時間もたっぷりワイナリーや畑を見せてもらったのにカルロじゃなくてマルコだと訪問後に帰ってから知った時のショック(笑)
1月ジェノバのナチュラルワイン試飲会でお会いしてとっても美味しかったので、9ヶ月経ってやっとお伺いできました。
「カルロ・タンガネッリ」はお父さんが始めたワイナリー。
(カルロは父だったか!)
アレッツォ県にあるマルコさんのワイナリーではちょうど収穫真っ只中。
トラックには収穫されたばかりの黒ブドウたちが。
発酵タンクには先に収穫されたメルローがちょうど発酵を終わらせて次のブドウが入るスペースを作るためにその日は移動させられる予定。
こんな忙しい中、カンティーナがあるお家から少し離れた丘の上にある畑まで連れて行ってくれました。
ブドウ畑は家の横に広がるものを含め数カ所に分かれていてそれぞれ品種や仕立てが異なります。
私たちが訪れたのはミンマという地域の丘。
途中小さなCastiglion Fiorentinoという町を通る時、カルロさんが「ここはね、ベニーニ監督のライフ・イズ・ビューティフルの撮影が行われたんだよ。」と
アレッツォの町の広場は有名で行ったことがあり、看板も立っていて撮影場所は一目瞭然ですがこんなところでも行われたんですね。
アレッツォ生まれのベニーニは自分の故郷を愛していて、この風景を撮影場所にしたんだなと思いました。
あの映画の中の時代や風景がそのままあります。
そこを少し登っていくと、トスカーナなのにサボテンや🌵温暖な地域で見かけるようなトゲトゲした葉っぱの植物、サルデーニャ島の有名なリキュールを造るミルトなどが現れ始めました。
標高は600m。
一言にトスカーナ、一言にサンジョヴェーゼ種と言ってもテロワール(天候や土)が違えば味やワインの個性は全く違うのだと実際に目でみて感じます。
こんな特異な土地だからでしょうか、マルコさんはサンジョヴェーゼ種をトスカーナでは大変レアなアルベレッロ(ゴブレ)仕立てで育てています。
そして、ちょうどこの時、収穫直前なのに雨が降り、そのあと暑さが戻ってきためブドウがカビにやられないように収穫前の最後の調整のため、なんとブドウにかかる全ての葉っぱを取り払ってありました。
なんて工夫!なんて労力!
「見てくれ!この景色を!この場所の歴史とテロワールはこの場所に立たなければ伝わらない」
畑から遠くには二つの塔が見えます。
その二つは昔々連絡を取り合うために小高いところに作られ、またその塔から別の塔へ連絡が伝わり、アレッツォからポンタッシエーヴェそして、最後には当時政治の中心だったフィレンツェのヴェッキオ宮まで塔から塔へと連絡が伝わっていくように配置されていたのだとマルコさんは教えてくれます。
「昔ここは食用カタツムリの畑だったんだ」
「トスカーナの葉巻が生まれた場所はあの辺なんだ、女性がね、水と小麦粉をのりにしてくるっと回して作るんだ」
「この後ろに見える森には古代ローマ時代使われていた水道橋が7つもがあってね」
様々な歴史がおり重なるこの場所を愛しているのが伝わってきます。
畑には数本昔の名残のメープル科の木が生えています。
昔は木にブドウの樹を巻き付くように育てていたからです。
シエナ大学の研究機関とも協力し、この土地に昔からあったブドウ品種を発掘し直したりもしているそうです。そんなブドウはもちろんフィロキセラ(ブドウ根アブラムシ)を乗り越えたオリジナルの根っこを持ったブドウたち。
アヒルのラベルが可愛らしいオレンジワインが造られるトレッビアーノ種とマルヴァジア種は110歳のブドウの樹から採れたもので、トスカーナで一番古いと考えられているそう。
昔から一切の農薬が使われたことのない稀有な土地。
「この土地はね唯一のものなんだ、私たちだけのものではない、次世代に残さなければならない。」オーガニック農法を行なっているのは深い志があるから。
古き歴史や土地、過去を愛していますが、その醸造方法に手抜きはありません。
「昔ながらの」とそのままにするのでなく探究心と試行錯誤が見られるのです。
品質のために「清潔はまず第一」キレイに整えられた設備。
発酵前マセレーションを行うために窒素を使ったり、発酵温度をブドウの状態で違う温度に調節したり、新しく入ったタンク二つは醸造中のワインを優しく扱うために空気圧でルモンタージュするなど。
オリーブ畑もあるそうですが、絞りかすをホメオパシーの薬のために提供しているそうです。
たくさんのお話を聞けて勉強になりました。
いただいたサンジョヴェーゼ100%のCibreoをその足で向かったトスカーナ1のお肉屋さんダリオ・チェッキーニで開けたのです。
無花果、チェリー、ドライローズ、栗の葉っぱなんかの複雑な香り。
口に含んだ瞬間から最後の余韻までバランスが整った美しいワイン。
美味しいですカルロさん!
じゃなかったマルコさん!(笑)
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