スローフード協会が毎年10月に主催するスローワイン試飲会。
これだけは何があっても出席しなければと意気込んでいました。
試飲会の日程直前にその年のキオッチョラ(カタツムリのことをこう呼んだりします)マークを獲得したワイナリーが発表されます。
今年は201社がその栄誉に輝きました。
ワインの味や香りの品質はもちろん、そのワイナリーが環境、地域性などを守っているかが審査基準。
すごいのはこの審査がどこかの会場で送られてきたサンプルを試飲して行われるのではなく、審査員が必ず現地のワイナリーへ赴いて生産者と直接話して行なっている唯一の評価紙であること。
ワイナリーへ与えられる印以外にスローワインとして認定されたもの、グランデ・ヴィーノ(偉大なワイン)、ヴィーノ・クオティディアーノ(質の良いデイリーワイン)などに指定されたワインなど色々なカテゴリーがあり、どれか一つを獲得していなければこの試飲会には参加できません。
だからこそ、レベルが高いこの試飲会への期待は高いのです。
試飲会5日前に発表された参加社の数は597!!
困るのが通常の試飲会が数日間あるのに比べてスローワインは14:30〜19:30、たった5時間勝負。
597社から回れる推定数の約15社に絞らなきゃ😭
ということで、リストとスローワインの本を片手に朝方4時半まで黙々と下調べしました。
当日は晴天!
こんなカタツムリの木のコインをもらって首からかけるワイングラスを借ります。
会場はモンテカティーニ・テルメという温泉で有名な町(フェデリコ・フェッリーニの映画8½で奇跡の湧き水を飲むために並ぶ人々のシーンはこの町が舞台)
会場内で湧き水が出てるのでワインの合間に飲んでみたら、しっかり甘い温泉水でした(笑)
最終的に調べていたトスカーナ州、エミリア・ロマーニャ州、ピエモンテ州から厳選した16社を全部回り、今度ワイナリー訪問したいと思っていた生産者の方とお伺いするお約束を取ることもできて大大大満足な試飲会になりました。
何よりも嬉しかったのは、すでにワイナリー訪問した生産者さんとまた再会できたこと。
イタリア式の挨拶で抱擁、ほっぺに軽くキスをして「チャオ、コメヴァ!元気だった?」
トスカーナ州ボルゲリでビオディナミ農法を取り入れているi Mandorli(イ・マンドルリ)のマッダレーナさん。
2015年のサンジョヴェーゼ100%とカベルネ・ソーヴィニョン100%。
どちらもしっかり凝縮感があり、ハーブ感が際立つ香りの複雑味が素晴らしい個性的なワイン。
エミリア・ロマーニャ州で大好きなランブルスコを造っているPodere Cipolla(ポデーレ・チポッラ)のデニーさん。
ここもビオディナミ農法を取り入れていて、ほとんど彼一人で全部やってます。
飲んだら「あぁ〜♡」と思わず声が出てしまいます。
幸せになれるワイン。
口に中にずっと残ってる赤い果物のプチプチした感じがたまらないです。
以前ご紹介したピノ・ネーロ100%のメランポを造っているCastel del Piano(カステル・デル・ピアノ)のアンドレアさん。
今年はヴェルメンティーノ・ネーロという珍しい品種でできたぺぺ・ネーロ(黒胡椒)がカタツムリマークをゲット。おめでとうアンドレアさん!!
メランポ、味見したら感動屋の私はまた涙目になってしまいました。
それぐらい直に美味しいと言えるワイン。
複雑なこと言わない!
美味しいんだもの!
「ありがとう」と笑って握手してくれたアンドレアさんの手はボロボロ。
農業を真面目にやっている人の優しい手。
以前、試飲会で話し込んだロンバルディア州、Calatroni(カラトローニ)のステファノさん。
若いのに醸造の知識がすごい。ここのピノ・ネーロを使った泡は収穫してからブドウを−4度まで下げて、欲しい香りを引き出し、代わりに出てきてしまうあまり欲しくない香りを抑える。
理想の香り、味、それを表現するために同じワインの中に収穫時期が異なる同じ品種のぶどうを入れていたり、澱引きの時期をあえて早めにしていたり、とにかく様々な工夫を凝らしています。
シャンパーニュにも負けない美味しい泡!
ピエモンテ州、どうしても素通りできなかった大好きなG.D.Vajra(ヴァイラ)以前、ここの家族伝説とヴァイラ家の息子の眉毛くんについて書きましたが、この眉毛くんがいないかなと行ってみたら、いなくて肩ががっくし…
かと思いきや、眉毛くんのお姉さんフランチェスカさんがいたのです!
最初、眉毛があまり太くないので(笑)ご家族か?どうなんだろ?と思っていたのですが、話をしているうちに、あまりにも話し方やワインへの愛情が似ているので聞いてみるとやはりお姉さんでした。
隠そうとしても隠せない家族とワインへの愛情。
80haもある大きなワイナリーですが、ここのワイナリーには家族で造っている愛情があるワインです。
胸に手を当てながら「そんな風に、記念日に飲みたいと言ってもらえることが私たちにとって一番の褒め言葉だわ。嬉しい、本当にありがとう」
とっても可愛らしい上品なお姉さん。
前回会った、パパ・ママっこな弟のイジードロくん。
是非、一番上のお兄さんにもいつかお会いして兄弟制覇したいです(笑)
ここのバローロBricco delle Violeはため息が出る香りと複雑味のあるエレガントな仕上がり。
初めて飲んだフレイザ種のKyèはこの品種の印象を変えてくれました。
ワインを飲みながら、そのワインを造った人に直接話を聞ける、こんな貴重で大切な時間はないです。
あまりの凝縮した5時間。
集中力と緊張の糸が切れて帰りの車でブラックアウトしました(笑)
ここに載せたワインはどれも本当にオススメのものばかりです。
造っている人の汗と笑い声と愛情がちゃんとボトルに入ってます。
もし出会ったら、是非手にとって、飲んでみてください。
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初めてイタリアへ行った17年前、トスカーナでベルナッチャの白ワインを買いました(^.^)
当時はあまりワインは飲まなかったのですが、おいしいと思いました(^^♪
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トスカーナにいらっしゃったことがあるんですね!
地元のベルナッチャワインだなんて通なんですね!
今はどんなワインを飲まれてるのでしょうか?
食やワインは奥が深くてハマると出れないですね😆
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通じゃないですよ。添乗員さんに教えてもらったんです(*^^)v
今はスパークリングワイン(Cavaとか)&ボルドーの赤ワインです。
毎日1本は空けてました、4月までは…。
4月に病気が分かってから禁酒しましたが、また飲み始めてます。
今は週2ぐらいです(^_-)-☆
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イタリアにいると自国のワインしか手に入らないので ボルドーは実はあまり飲んだことがないんです!とっても興味あります♪ 美味しいもの食べるときにやっぱり片手にワインがあると気分が変わりますよね。私もほどほどにしなきゃ(^-^;
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イタリアとフランスって近いのに、イタリアは自国ワインに誇りを持っているのでしょうね(*^^)v。
でも、イタリアのワインも好きですよ。
基本、料理に合えばいいので、国は関係ないです(^.^)
よく行くワインレストランのソムリエさん達は、
私の好みを知っていて、いつも料理に合うものを持ってきてくれます(^^♪
おいしい食事があると、飲みたくなります(^^;
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