ピサに行ってまいりました。
ピサといえば斜塔。
今回の私たちの目的は斜塔ではなく、Terre di Pisa Food&Wineという食とワインのイベント。
会場は今まで訪れたイベントよりもこじんまりしていましたが、内容はすごく濃いものになりました。
えっ〜、入った途端、急に国営放送にインタビューされる彼氏くん(笑)
表舞台や写真など一切大嫌いな私はそーっとフェイドアウト( ̄∀ ̄)
影から激写。
「何があなたをここに来るように掻き立てたのかしら?」なんて聞かれています(笑)
さて、来ているのはピサ県の生産者。
羊の飼育からチーズの生産までちゃんと同じ生産者がやっているペコリーノチーズ
生ハム
パスタ(セーモラ粉を麦から作って挽いて自社で作っているところが何社かありました。材料も自分で!なんて素晴らしい)
長いパスタの先っぽが半円に曲がってるのはちゃんと棒にかけてゆっくり乾燥してる職人パスタの証拠♪
今まさに収穫時期のオリーブオイル…
こちらの生産者はボトルのラインによってオリーブの種類や組み合わせを変えています(ワインと同じ!)数日前に収穫、搾ったばかりのものがボトルに入っていました。
ラベルもなし、まだフィルターにかけていないので濁っています。
フィルターにかけてるものと色の違いが顕著。
味も全く違います。
新鮮なしぼりたてのオリーブオイルはとにかく匂いがすごい!刺すようなグリーンな野菜の匂い、ルッコラやアーティチョークに似ています。
作っている生産者の説明に熱がこもります。
とにかくオリーブオイル愛がすごい(笑)
トスカーナでは昔からカタツムリの養殖がされていました。
見ると…商品が逃げようとしてますよ〜
グツグツとあったまった野菜(セロリやローズマリー)とカタツムリのソースを味見。
むかーーーし、子供の頃フランス風のエスカルゴを食べた時は大人の味すぎて好きになれず今まで敬遠してたのを後悔しました。
臭みはゼロで磯風味でない貝のような感じ。
トマト風味もあって、そっちもちゃんとトマトの酸味と合っていて美味しかったです。
カタツムリの養殖は大変?と聞くと
「もぉー!それは、それは!」とさっきまで大人しい感じのお兄さん熱がこもってきました。
体の色はよく見るでんでん虫より緑。
これは餌が緑の葉っぱだけだからだそう。
食用のフランスのカタツムリとトスカーナのカタツムリの掛け合わせで体が大きい病気にも強いフランス産と味がデリケートなトスカーナ産のいいところをとったそうです。
カタツムリ愛が熱い(笑)
一通り回ったところで夕方6時に行われるサンジョヴェーゼ種とピサのテロワールについての試飲講義まで街をぶらつきました。
アルノ川を渡って奇跡の広場と呼ばれるPiazza del Miracoloまで。
何度来ても青い芝生とデーンっ!と構えたドゥオモ・洗礼堂・斜塔・カンポサント白い建物群と青空の対比、そして巨大さに感動します。
ただ…観光客がうじゃうじゃいすぎて、若干天邪鬼な私はげんなりしてきます。
あちこちでピサの斜塔を支えるポーズを撮っている人が。側から見ると滑稽(笑)
うむ、傾いてらっしゃいますね。
ピサの斜塔は登ってみると今まで登った人たちがみんな傾いて登っていったせいで螺旋状の階段が傾いてすり減っているのがわかります。
登っている時、視覚と感覚が混乱をおこす奇妙な感覚があって、傾きを体験できるので、行くなら絶対登るのがおススメ。
上からの景色も素晴らしいですしね!
私が個人的に好きなのはカンポサントと呼ばれるお墓が並んでいる建物。
シンメトリーの巨大な美しい建物は中から是非見てください。
そして、この中にTrionfo della Morte「死の凱旋」という壁一面のフレスコ画があり、これは一見の価値があります。
細部に渡り苦々しい苦悩、恐怖、悲しみが描かれていて、その当時生きていた人の感情が見え隠れしています。
もう一つお気に入りはシノピエ美術館。
フレスコ画は
壁→下書きのシノピエ→漆喰→フレスコ
と層になっています。
保存するために表面のフレスコ画のみを剥がして移したり(例えば元々あった教会内から環境の良い美術館へなど)するのですが、そうすると下書きのシノピエ画の層がくっきり現れます。
下書きと本番のフレスコ画が同じ場合もあれば「あれ?これ違くない?」と比べると変更された箇所なんかも見てとれます。
このシノピエ画を集めたのがこのシノピエ美術館。
第二次世界大戦のときにカンポサントが爆撃にあい、火事になったときに発見され保存する目的で移されたそうです。
フィレンツェのサンタクローチェ聖堂で働いていたとき、大礼拝堂のフレスコ画の修復が行われていて間近にその様子を見たり、統括していらっしゃったこの世界で第一人者の宮下教授のお話を聞かせていただいてフレスコ画の奥深さに興味が湧き、当時見に行きました。
フレスコ画って壁の中にこんな秘密が隠れてるんだなと浪漫を感じます。
それからピサでもう一箇所、私が訪れたかった場所があります。
Piazza dei Cavalieri 直訳すると騎士の広場。
ここには昔「飢餓の塔」が建っていました。
ダンテの「神曲」実際に読んでみると物語の壮大さと受け継がれているのが納得できるすごさがあります。
ダンテが地獄で出会った人々を語る場面場面はリアルでその当時の政治や実在の人物が織り込まれているのですが、その中にウゴリーノ伯爵という人物がいます。
地獄の下の階層で人の頭に喰らいついている人物に出会ったダンテが「なぜそうしているのか語って欲しい、そうすれば私がそれを生きている限りは人々に伝えていくことを約束するから。」と話しかけます。
喰らいついていた頭の髪の毛で口元を拭い、息子と孫とともに塔へ幽閉され餓死した顛末を語ったその人物こそがウゴリーノ伯爵です。
亡くなった息子を食べ、それでも最後には亡くなったと語り継がれているウゴリーノ伯爵。
ダンテは神曲の中でピサを責めています。
飢餓の塔があった場所に文字がきざまれているのを見つけました。
「ここで亡くなったウゴリーノ・デッラ・ゲラレデスカにより飢餓の塔と呼ばれるようになったグアランディの塔がここに建っていた。その慈悲のない結末はダンテ・アリギエーリの神曲の中に永遠に刻まれたのだ。」
と。
ただキレイな広場だなーと通り過ぎてしまうかもしれませんが、この場所にある歴史や文化を知ると貴重な場所に立っていると改めて思えます。
さて、夕方!
サンジョヴェーゼ品種のみの試飲講義開始に合わせて会場に再入場。
始め、11種類と聞いていたのですが、結局14種類ものワインが出てきました。
全てピサ県の生産者。ソムリエ二人と共にいくつかの生産者が直接前で説明。
一つの品種を一つの県のみでこれだけ試飲できたことは大変勉強になりました。
とにかく全部全然違う!!
酸味、甘み、木の香り、凝縮度…
木樽熟成しているものでも
「こっちの方が木が甘い香り、こっちの方がすーすーした香り」と木樽によっても違うのがわかります。
完成度が高かったのは一度ブログでもご紹介したAgrisoleとビオディナミ農法でスローワインのカタツムリマークを持っているCaiarossaでした。
最後に前に出てきた生産者さん、黒シャツにジーンズでとってもキザ男な雰囲気。
熱烈にワイン愛を語ります。
「俺は農民なんだ!」
(足元、靴下ナシ×とんがった黒革靴、どんな農民じゃ笑)
ピサ生まれピサ育ちであろうソムリエのお偉いさん、ずっと自分の土地愛を語っていました。
パスタ愛、オリーブオイル愛、カタツムリ愛、地元愛、イタリア人は自分の仕事や地元や文化を愛してやまない人種だなと改めて思うのでした。
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今は斜塔登れるんですね。
初めて行った時はツアーで時間なくて、次に個人で行った時は入れなかったです”(-“”-)”
確か…。逆だったかな?
ちなみに2000年と2009年です。
チーズおいしそう(^.^)生ハムもパスタも!!
オリーブオイルはヌーボーですか?緑色だったから(^^)/
オリーブオイルもピンキリですよね。
私はDHCのオイルを使ってます(^^♪
簡単に手に入るし、安心安全 ^^)
カタツムリ…料理として出されるならともかく、生を買うのは…(>_<)
最後に、彼氏君、素敵ですね(*^^)v
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あら、入れなかったんですね。修復の時期とかに重なっていたのかな。残念ですね(._.)
オリーブオイルもお好きなんですね!そうなんです、ピンキリ!そして何と言ってもヌーボーは新鮮で美味しいですよね。彼氏くん(コメント嬉しいです笑)の働いてるファットリア・ラヴァッキオのオリーブオイルは賞も取っていてピリッと辛みがあって、生でタラ〜っとかけて食べるのにピッタシ。今か今かと我が家に今年のが届くのを待ってるところです。オイルが季節物ってこっちきて知りました。恥ずかしい^^;
カタツムリ生、いくら食いしん坊でもこれはいけるかいけないかのラインぎりぎりですね(笑)
ちなみに虫はなし。未来食とか言われてるけど、虫は無理(笑)タランチュラ美味しいとか聞くけど…うーん。
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え?カタツムリ、生で食べるんですか??違いますよね???
生で食べるぎりぎり???私は無理だ~(>_<)
オリーブオイルの季節物は、DHCのパンフで知りました。
「ヌーボ―が出ますから、予約を!」みたいなパンフです(*^^)v
ファットリア・ラヴァッキオですね。ちょっと探してみます(*^^*)
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いえいえ!書き方が悪かったですね💦ごめんなさい^^; 生で買って料理するのはキツイかなーと笑
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あ、そういうことですか。失礼しました(*_*;
でも、料理するっていっても‥‥確かにキツイですね(^^;
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