山奥。
相変わらずの霧の濃い中を進んでたどり着いたせいか現世とは違う切り取られた異次元世界に思える場所へ入り込みました。
人はいないけど、クジャクがいます( ̄∇ ̄)
家畜の匂い。勝手にあっちこっち歩き回る自由奔放な鶏や鴨たち。
てか人はどこ?
歩き回って、やっと人の気配があるような木の扉発見。
扉がキィーっとあいて、ステファノさん登場。
「やぁやぁやぁ、こんにちは、ちょっと雨降ってて残念だけどね、うん、こっちね、入口はこっち。この奥がとりあえず後でごはん食べるところ。あっ、牛見たい?こっちね、はい、ここの土地ははね、国立公園の中にあってね、あっ、名前とか全部後でね、ネットある君たち?書いてゆっくり教えてあげる。後でね。あそこに見えるのが栗の木々、そしてこっちがさくらんぼの木々…」
「ブモォーーーーっっっっ!!」(牛の鳴き声)
やばい。
シュール(笑)
ステファノさんは愛する我が世界をずっと息継ぎ無しに紹介・喋り続け、合間にさっきから私たちが気になってるモデナの白牛さんたちの激しい鳴き声が聞こえます。
下界からまるで隔離されたような霧の中にある小さな家と小さな家畜小屋。
ここで唯一、プレジディオ・スローフード指定のモデナ牛さんから作られるチーズとそのお肉をテーブルで食べれるアグリツーリズムがあると聞いて、電話で予約し訪れたのです。
よく見つけたな私、ここ。
よく下界の電話繋がったなステファノさんに。
待望のモデナ白牛ご対面。
こちらキアラちゃん。
頭にチュッフォ(フサフサ毛)があるのと、お鼻のピンクのところが三角形なのが特徴だそうです。
この小屋にいたのは14頭ほど。
みんなお名前がついています。
小屋の端っこには生まれたての卵が。
「この卵ね、これ後でテーブルの上に乗るからね。」
予約した1時になって先ほど案内されたところへ。
彼氏くん「どこか懐かしい…笑」
確かに、亡くなった福岡の田舎のおじいちゃんの木工所や長屋を思い出します。
私たち以外に16人のイタリア家族の予約がこの日入っていました。
がっ!!!!!
予約した時間から1時間経過、一品目も出て来なければステファノさんも顔を出してきません…
あれぇ〜?(-。-;
待つ我慢なんて持ち合わせていないイタリア人家族がガヤガヤ言っています。
やっと出てきたアフリカ系のサービススタッフ。
「ワインは赤と白とどっちがいいですか?」
(影で聞いてる私、やはりワインリストなんてここで期待したらダメね。笑)
イタリア人1「赤かな、いや白かな、うーん、両方持ってきてくれ!」
イタリア人2「いや、白と赤混ぜちゃダメだって!」
イタリア人3「てかパン持ってきて、お腹すいた!」
自由発言満載なイタリア人たち(爆)
1時間後にやっと出てきたステファノさん、そして一皿目。
ででぇ〜ん!!!
全てに似合わず…
若干お洒落😂
ここから私と彼氏くんは爆笑と感動のステファノ劇場に巻き込まれます。
だってステファノさん、自分とこの牛大好きすぎ。自分の土地大好きすぎ。
ほぼ95%ここを訪れる人は皆このモデナ白牛のことを知っていてやってくること(このイタリア家族は知らずに来たようです)、この牛の歴史、お皿に乗っているのがその牛から取れた牛乳でここで造られていること、食べる順番、ブリジディーノというリコッタっぽいフレッシュチーズから始め、生肉のタルタルはもちろん包丁で丁寧に叩かれていて2種類のうち一つはこの土地で昔から行われているラベンダー栽培のラベンダーが入っていること…永遠と話が続きます。
「これ2時間食事中ずっと続くんじゃない?
ステファノ劇場だよこれ!やばい、面白すぎる😂」
と彼氏くんと爆笑しながら、説明を聞いたものから順に味見。
うっっっっっっ
まーーーーーーーーーーーい!!!!
軽いチーズ、とってもデリケート。甘みのある風味。
ステファノさんが造っているという牛を使った生ハムは旨味の塊のよう。スルメとかを思い出すような旨味の凝縮した味。
生肉のタルタル、ラベンダーがよくあっていてネットりしていて美味しい赤身を食べている、肉の自身の本当の味を楽しんでいる!と思えます。
ちゃっかりさっきの産みたて卵も乗ってます。
次がMinestra Focacciaという名前。いろいろなお豆類と栗が入っていて甘みと少し苦味のあるたっぷりしたミネストラ。
ここでもステファノ劇場
「このミネストラにはズッコットというものが添えてある!好きだろうが嫌いだろうが、ズッコットとはこういうものだと理解して食べてくれ!中身は秘密。ズッコットと栗一つそしてサラミのカケラをスプーンに乗せて最後の一口に食べてくれ!いいね、栗もズッコットも残すんだよ。」
最後のスプーン一杯の食べ方の指示をお食事処でされたの初めてです(笑)
行きます!(ドキドキ)
うん、うーん?
何だろう…
若干ざらっとした食感があり、味は想像以上にデリケート。
肉でもチーズでもパンでもない…
ちなみにイタリア人たちは「バター!生クリーム!チーズ入ってる?」と当てっこしていましたが、そのどれも入っていないとのこと。
結局…謎のまま。
ただ、美味しいのは確かです!
さて、ここですでに3時半すぎ…実は私たち、この後4時半目安に9ヶ月も前からチケットを予約した会場へ向かわなければなりませんでした。上限出発4時。
プリモが出たし、この後きっとセコンドのお肉でデザートで締めかな…と思っていたら。
パスタ出てきた( ̄∇ ̄)
しかも2種類。本場エミリア・ロマーニャ地方のボロンニェーゼ、しかも白牛さん。
時間が心配になっている中、さらに
でで〜ん!!
生肉再び。Σ(゚д゚lll)
あたりに生肉のにおいが香ってきます。
スーパーの味気ないリンゴは香りが弱いですけど、田舎で木から落ちてるリンゴ拾うとしっかり果物の香りしますよね?
同じように、香りがします。ちゃんと。
素材の力。
そして、
焼き…( ̄◇ ̄;)
うっ、うまぁい〜😭
やはりシンプルな食べ方が一番肉の旨味を味わえます。
赤身、うまぁぁぁい!
残念ですが…ここで時間オーバーです。
ステファノさんにごめんなさい!と謝って、
最後の三つ目のセコンド、煮込みはお持ち帰り。
デザートもお持ち帰り。
1時に予約して、まさか4時半まで居座ってコース食べきれないなんて…ショック。
これで、大人一人25ユーロって大丈夫なんだろうか?牛さんの餌代賄えてますか?
実は予約時、人数は伝えたものの、向こうからメニューがないこともコースを出されることも、なーんにも説明なし。テーブルついて、1時間後に唐突に「さぁ食べて!」と言わんばかりに彼の語りとともに次から次にお皿が出てきたので、結果全部で何皿あるとか知らなかったんです。
合計7皿。この日私たちが食べたのはジュディッタちゃんという25歳の牛さんでした。
横の家畜小屋にいる牛や鶏、これらからステファノさんが全て手作り、どこからも仕入れていない。添えてあるサラダ菜ですら畑のもの。パンももちろん古代小麦を使用した自家製。
食べるものと食べる人との距離が近い関係。
この隔離された場所いつまでも残って欲しいです(笑)
さぁ、下界に戻ります!
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赤身おいしそ~。すごくきれいな色(^.^)
前に話されてた、すごくおいしい赤身って、この牛だったんですね。
ステファノさんの情熱のたまものですね。
着席してから1時間も待たされたら、イタリア人じゃなくても無理ですよ”(-“”-)”
食事はどれも、おいしそ~。
でも、食事中ずっと、ステファノ劇場だと…、マニアにはたまらないでしょうが、私もちょっときついかな…(-_-;)
というか、イタリア語分からないから、多分無理だな(*_*;
3時間半かかってまだ終わらないってすごいですね。まさに晩餐会のよう。
しかし…25ユーロって…。ほんと、心配になっちゃいますね…( ;∀;)
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そうなんです!伊賀牛と方向性が全然違いますよねー。
ステファノ劇場、もう全部笑ってました。何でもこい!って感じで(笑)
でもこの後、実は9ヶ月も楽しみにしていたシルクドソレイユに遅刻しました。ありえない失態😭
壁に2009年の25ユーロの値段が書いてあったのですが、その横に手書きで2010、2011、と足されていって、最後は多分手書きすら面倒になったのか更新されてませんでした。2009年から…同じ値段( ̄∀ ̄)
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ステファノ劇場、超絶すぎる!!
手書きも、ステファノさんの人柄が分かるエピソードですね。会ってみたくなりました(^^;
シルクドソレイユだったんですか~。それは残念でしたね。
でも、普通に考えて、そんなに食事に時間かかるって思わないですからね(-_-;)
私は、ラスベガスに行った時、「O」を見ました。
初めて観たのですが、とても感動しました(^.^)
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うわぁー!羨ましいです!「O」は常設なだけに迫力が一段と違うんだろうなーとずっと見たいと思ってるシルクドソレイユの一つなんです。(さすがtabisurueiyoushiさんならここが通じるかと思いました笑)
遅刻といっても最初の5ー10分なのですが、生の劇場では始まる前のワクワクから味わいたい私にとっては涙モノの失態です💦
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始まる前からのワクワク感、分かります(^.^)
わくわく感もそうだし、見逃した10分程度も、すご~く損した気分になりますよね”(-“”-)”
「O」はよかったですよ。ベラッジオに泊まってたので、コンシェルジェにチケットをとってもらい、20%オフ、しかも、前から5列目のセンターブロックでした(*^^)v
舞台の転換も速いし、演者さんも、とにかく圧倒されました\(^o^)/
去年、上海で雑技団「ERA」を見たのですが、なんか、シルクドソレイユに似てる!って思ってたら、芸術監督が同じでした!!
「O」は水を使うので、上から飛び込む時は、水の中に入るのですが、上海は水はなく、舞台に人が入れるぐらいの穴が空いたりして、そこに入って行くので、違う意味ですごい!と思いました。
こちらはツアーだったのですが、前から4列目の席でした。
同じ会社の別のツアーの人達がかなり後ろのブロックだったので、ガイドさんの力みたいです。
チケットを見たら、私達が払ったチケット代より上のランクのチケットだったんですよ。
「え?」って思ったら、笑いながら「こういうこともあります(*^^)v」と言ってました。。。
ステージの規模やホールの大きさは、「O」のが全然大きいですが、迫力はありました。
naturalwinetuscanyさんなら、分かると思い、長文になりました(^_-)-☆
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ERAぐぐっちゃいました(笑)うわぁ、観たくなっちゃいましたー!!レベル高いものを見てると、ブレがなくて、一瞬シュールな非現実な世界に入りますよね!そして、生はやっぱりいい席で見ないと!ですよね!!いつもなら最前列や通路席(演者が通るところ)とかが好きなのですが、実は今回は舞台がプロジェクションマッピングで海になったり溶岩が流れたり、という趣向だったので少し上からの席を取ったのです。
でも…最後のスタンディングオベーションを少し離れたブロックの席の人たちは温度差があってやらないんだなと気づきました…私は飛び跳ねて拍手喝采したい派なので残念でした(^_^;)
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確かに、後方の席の方が舞台全体は見えますよね。
でも、舞台、演者さんとの一体感を考えると前方の席のがいいかもしれないですね。
シルクとは違いますが、ミュージカルやバレエなどだと、後方でも1階席じゃないと、舞台とつながってる~っていう感じが味わえないんですよね。
2階1列とかのがよく見えるとはいっても、すご~く離れてて、テレビみてる感じ(-_-;)
ところで、どんな演目だったんですか?
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そうなんです!目が合うぐらいの距離感が本当は好きです!ライオンキングを一列目でみたとき(ロンドン、劇場小さい)膝にオーケストラが下に隠れてるスペースが当たるぐらい狭くて目の前にラフィキが出てきて飛び散る汗や衣装の貝殻一個一個までまじまじみてしまいました。あれは生じゃないと味わえない体験!
あっ、ちなみに今回見たのは「Toruk」でした^^;
衣装、舞台装置、演目、全体のクオリティが良かったですよ〜!
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ロンドンで1列目はすごいですね。
私は日本でしたが、オペラ座の怪人を最前列で見た時、キャストの足音とか聞こえて、少し興ざめしました…(>__<)
来たら、行きたいと思います(*^^)v
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オペラ座最前列なんてスゴイ🤩(足音はリアルですね!笑)
なんだかこんな話してたらまた生で観劇したくなってきちゃいました〜
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前回の投稿、なんか途中が消えてたみたいです。。。”(-“”-)”
「Toruk」日本にまだ来てないみたいです。
来たら、行きたいと思います(*^^)v
上記の部分が抜けて変な文章になってました…(^^;
シルクもミュージカルも生で観るのはやはり楽しいですよね(^^)/
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