大好きなワイナリーを回るたびによく出てくる名前があります。
「Michele Lorenzetti ミケーレ・ロレンツェッティ」
ビオディナミワイン界では有名な方で、今まで紹介したワイナリーのi Marndorli(イ・マンドルリ)、Cerreto Libri(チェッレート・リブリ)、Voltumna(ヴォルトゥムナ)などなどの栽培・醸造コンサルタントを担当しています。
彼氏くん、自分のワイナリーをつくるためにただいま奮闘中ですが、理想としている地域、ぶどう品種、畑の大きさ、農業のコンセプトなどかなり事細かに考えが固まってきています。
- フィレンツェ郊外のヴィッキオ。
- 2〜4ヘクタール。
- 品種はピノ・ネーロとソーヴィニョン・ブラン。
- ビオディナミ農法を取り入れる。
この条件がミケーレさんのワイナリーとほぼ重なっているのです!
行かねば!!
ということで、何ヶ月も前からお約束してやっと行くことができました。
着いた時の感激ったらありません♡
畑はお家の近くにある地元のブドウ、サンジョヴェーゼやトレッビアーノが約1ha。
そこから8km離れた山奥の急斜面にピノ・ネーロ、ソーヴィニョン・ブラン、リースリングが1.5haほどあります。
最近最新のアプリがアイフォンに導入されたので、それを使って早速計測(笑)
だって仕立てが今まで見たことないほど低いんですもの!
ビオディナミを取り入れているところでよく感じるふかふかの土。
申し訳なくて畑の中を歩けませんでした。
標高は550mほどで、ここまで高いとこの地域特有の湿気はなくなるそう。
だから仕立てが低くても湿気でブドウがやられることはないそう。
ビオディナミの伝道師のようなミケーレさん、車ではクラシック音楽がかかりながら
「土がなければいいブドウはできない、いいブドウがなければいいワインはできない。
全てはそこから!」とワイン造りでいかに農業が大切かを語ります。
醸造所に戻ると…イタリアあるある、地域の電気が切られていて真っ暗。
めげずに、暗闇の醸造所を手元のライトだけをもとに見学(笑)
とりあえず、見れればいいのですが、いい写真が撮れない!
なぜか居座っているという野良の子猫ちゃんが到着後すぐは人見知りだったくせに、急に懐いてきて説明を受けている間中
「にゃーーーー!
ニャァー!!!!」
とやってきます(笑)
説明をメモに書きながら、試飲しながら、暗闇を照らしながら写真を撮り、猫が懐いて肩に乗る…という忙しい状態に(笑)
しっちゃかめっちゃか( ̄∇ ̄)
でも楽しい♪
入ってすぐコンクリートタンク、その両隣に壁で区切られて、片方はアンフォラ🏺と木樽、
最後の部屋はなんだろう?と覗いてみると!!!!!
びっくりです!
人生初、クヴェヴリを目撃!
ウワォおおおおお!
クヴェヴリは伝統的なジョージアで行われていた古いものでアンフォラを地中に埋めてワインを醸造します。
シチリアなど一部の地方で聞いたことはあるものの、今まで一度も本当に行なっているところは見たことがなく、テンションがかなり上がる光景でした。
だってさ、埋まってるんですよ。砂利の下に。
アンフォラで醸造した場合、ステンレスやコンクリートタンクと比べてワインがちゃんと息をすることができます。木でできた樽でも同じように適度な良い酸素交換が促されますが、木の匂いがついてしまいます。
このアンフォラを地中に埋めることで、さらに醸造中の温度が一定になり、酸素交換が過多にならないなどいろいろプラスになることがあるようです。
実際、味と香りにどの程度影響が出るのかが気になるところですね。
クヴェヴリのアンフォラの中にはソーヴィニョンが皮とすでに2ヶ月つけこまれていることでした。
つまりオレンジワインか?!と思いきや、あのオレンジワイン特有の匂いやお茶っぱの味はないです。
なんだか常軌を逸した不思議な味。
他にもサンジョヴェーゼ、リースリングなど続けて味見。
今年のブドウなので、まだまだ醸造段階。
ピノ・ネーロはコンクリートタンクの中のものを試飲。
びっっっくり!まだ醸造段階の今年のピノ・ネーロがすでにその特徴を現してきています。
そして…どのワインも時間を置けば置くほどどんどん味が変化していく。
なんだこの不思議な期待を裏切る味は!?
発展途上のワインになりかけている液体。
こういうところが不思議でたまらない!とミケーレさんに正直に話すと
「それはね、土が違うからだよ。全てはそこだって言ったじゃないか」と。
うううううむ。
この道は深い深いです。
かなりレアで今までボトルを見つけることがなかったので、お家用に買ったボトルで寝かされたワインを味見するのが楽しみです!
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