久々のワイナリー訪問。
リグーリア地方の海辺へ向かいました。
Walter De Battè ウォルターだなんてイタリア人っぽくない名前だなと思いながらやっとアポイントが取れた彼に電話してみたら、しっかりイタリア人の発音。
1500年代にフランスから移住してきた家系のウォルターさん
「この地では誰でもみんな畑を持っていてワインを造っていたんだよ」
と代々受け継がれた畑へ案内してくれました。
ミケランジェロが大理石を掘り出していたカッラーラから海沿いのチンクエテッレ(五つの大地の意)の町リオマッジョーレやマナローラまで点々と畑を持っています。
私たちが訪れたのはラ・スペツィアと言う港町から車で約25分、標高500mの畑。
うっひゃーーーーーーーーー!
絶景とか言葉で言えるレベルのものではありません。
すごいところでブドウ作ってます!!
ここに植えられているのはグラナッシュやシラー。
葉っぱや粒が少し色づいているのは珍しいAlicante bouschet アリカンテ・ブシェ。
8月ぐらいから黒ブドウへと色が変わっていきます。
周りには見慣れないお花や植物が生えています。
畑の場所が違えばもちろん土も違います。
ここの土は結晶片岩と呼ばれる種類が混ざっていて板状の層になっている石がゴロゴロしています。
フランスのポルクロール島でも同じような種類の土を見ることができました。
あとで海岸近くで見た崖↓
薄い層がパキパキ割れるようなテロワール。
伝わりますでしょうか。
醸造場はさらにここから10数分。
全部で3haの畑のブドウは全てこの小さな小さな場所で醸造されています。
まずは白のCARLAZ、ヴェルメンティーノ100%を試飲。
3日間皮に漬け込み、ステンレスで発酵。
発酵途中に大きめの木樽に移しその後ボトルで寝かせています。
フィルターや清澄は一切行わない。
「皮にはそのブドウの香りや特徴が全て詰まってる。
だから皮を使わなかったらその土地やブドウの個性は出ない。」
土地を表すワイン、それが彼の信念なのが話の節々から感じ取れます。
ただ、オレンジワインのようなお茶のような苦みや覆う香りはなく、彼の言うように土地を表したナッツやバナナのような香りとミネラル感があります。
ヴェルメンティーノとボスコ、アルバローラのharmogeは2015年物。
六日間も皮にマセレーションしていたとは思えない色合い。
刺すようなミネラル感と酸味、でもふわっとした後味。
太陽をしっかり浴びているはずなのにとてもエレガント。
ウォルターさんは「テロワールだよ」と言います。
赤はサンジョヴェーゼ50%・メルロー20%、残りカナイオーロなどの品種を混ぜたTonos
トゲトゲした葉っぱやハーブ、黒い果物の瑞々しい香りがします。
最後は先ほど見た畑のグラナッシュ85%・シラー25%のCerico
オレンジの皮やイチジク、ブラックベリー、そしてどのワインにも共通する野性味のある草っぽさがあります。
香りがしっかりしているのとは裏腹に口の中では繊細。
おつまみにポンと置いてくれたのはリーグリア地方ご本家、塩味のこのフォカッチャ。
パン屋さんで出来立てを買ってきてくれていたウォルターさんの心遣いが嬉しいです。
シンプルなのになんで美味しいのかな〜
こんなところにも土地を愛し、歴史を受け継いで「ワインを造る人」vignaioloがいる。
出会えたことがありがたく、嬉しかったです。
ウォルターさんにお礼を伝え、この後チンクエテッレの町を目指しました。
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