カヴァじゃない!スパークリングワインの歴史を見たRecaredo訪問

スペインのスパークリングといえばCavaカヴァ。

カヴァといえば…残念ですが安くて大量生産で軽く飲めるワインのイメージがついています。

そんなカヴァのイメージをガラッと変えてくれるワイナリーへ行ってきました。

Recaredoレカレドワイナリーは一年前にカヴァの呼称ブランドから脱退し、Coprinnatという地域のアペレーションを名乗っています。

カヴァは例えばフランスのシャンパーニュのようにある一定の地方で造ることが条件というわけではありません。

その生産の95%はサン・サドゥルニ・ダノイアという村があるカタルーニャで生産されているものの、その他の地域で造られたものもカヴァと呼んでいいのです。

規制が厳しくなく、買いブドウでも造られることがあるカヴァですが、Recaredoはそんな中85ヘクタールある自社畑のブドウをビオディナミ農法で育てています。

また、その年の特徴を表すために、普通は別の年のブドウも混ぜるのですが、ミレジム=その年のブドウのみで造ることにしています。

カヴァは熟成最低9ヶ月あれば市場に出せるのですが、Recaredoは最低30ヶ月の熟成を経ていないと市場には出しません。

こんな風に行ってみて、歴史とこだわりと自分たちの造っているものに対する誇りがあるワイナリーなんだと肌で感じました。

案内を英語で説明をしてくれたサラさんはワイナリーにすごく愛情がある人で様々な質問にも詳しく答えてくれました。

スパークリングワインが眠る地下室にいよいよ降りていきます。

洞窟のような薄暗い中に一体何万本なのかビッチリと綺麗にワインたちが奥まで横たわって眠っています。

残念ながらこの洞窟内は撮影禁止。

(*記事の最後にオフィシャルサイトのリンクを貼りますが、そこから素敵な写真が伺えます)

奥へ進むと創始者のジュゼップが当時、自ら掘り進めた細長いトンネルのような洞窟があり、上を見るとツルのあとが見て取れます。

シーンとした中、眠っているワインたちはなんだか神秘的。

このまま何年も熟成されるのです。

横に寝かされた状態からデゴルジュマン(=瓶内で二次発酵を行なった場合に残る酵母の塊を一度瓶を開けて出す作業。昔はサーベルを使ってシュパッ!っと瓶の上部を切って出していました。)する前に瓶を斜め下に向ける板(Riddling Lack=ピュピトル)へ入れ替えます。

酵母や澱が瓶の口部分に溜まるように数週間置くのですが、その間デゴルジュマン職人が毎日瓶を一つ一つ手で回すのです。

この作業を実際にレカレドで働く6人のデゴルジュマン職人さんのうちの一人が見せてくれました。

ルミアージュ(英語ではRiddle)と呼ばれるこの作業は一瞬、一回転の間に三つのことを行います。

1.瓶を軽く振る

2.回転する

3.傾斜を前の位置よりもつける

では行きます。

と言われて、見てる間にガシャんガシャんガシャんとあっという間に何十本かの瓶を回してしまいました。

正直回してるようにしか見えないけど、よく見ると上記の三つを行って回してるのが見えました。

しかも瓶の後ろに白いペンキの印みたいのがあり回す率が全て同じ。

すごい技です。

続いて見せていただいたのがデゴルジュマン!

レカレドではデゴルジュマンの作業も昔ながらの伝統的な方法で行っています。

すなわち、通常瓶の首の部分を凍結させて開けて酵母だけを出す方法ではなく、凍結させずにコルクをポンと開けて一瞬で酵母のみ出します。

写真が撮れなかったのが本当に残念ですが(そして想像しにくいと思いますが💦)

ボトルに入っている空気部分を徐々に傾けて澱の溜まっているコルク部分近くまで行くようにします。

ギリギリのところ、でも空気は澱に触れてはいけません。

澱が触れてしまうと液体側に広がりワインを混濁させてしまいます。

この空気部分、実は6気圧もあり(車のタイヤが2ぐらい)この気圧で澱を押し出すのです。

紙一重のギリギリのところに空気を持って行き、手でコルクをポンっと抜く早技。

早すぎて何が起こったの?という感じでした。

すごい❗️

そして必ず香りを確認、コルク臭がないか一つ一つ嗅ぐそうです。

普通は王冠で栓をして瓶内発酵させるのですが、このデゴルジュマンを手で行うために、また熟成を促すためにコルクを使用しているのもレカレドの特異なところです。

1時間で約250本のデコルジュマンを一人で行うそう。

この作業…品質のためにという意思から全部人がやるのかと思うと頭が下がります。

洞窟からから出て、昔創始者の家族が住んでいた家を通り地上に戻ると、最初入ったワイナリーの入り口が道の向こう側にあることに気づきます。

つまり、普通に見えた道の真下に今自分たちが通ったワインの眠る洞窟があったんだと気付いてドッキリしました。

まるでお宝が町の下に眠ってるのを見てきた探検家気分です(*⁰▿⁰*)

さて試飲。

最初ショックだったのは並べられてるグラスがZaltoザルト!

試飲で出てきたの初めてです💦

オーストリアで今でも熟練の職人によりハンドメイド「口吹き製作」のみで造られるというこのグラス、我が家でも特別なワインの時だけ使ってるのですが、薄くて軽くて口当たりや香りにやはり違いが出ます。

そして割らないかどうかいつもビクビクするほど細くて薄い。

一つだけリーデルが混ざっていましたが聞いてみると様々なグラスでどのワインにどのグラスが合うか検証し選び抜いたグラスを使用しているそうです。

この徹底ぶり!👏

あまり知られていないかもしれませんが、レカレドでは泡じゃないワインも造っています。

まずは一番素の味を楽しめるXarel·lo100%、ステンレスで醸造した

MIRANIUS 2018

キリッとした酸味と後からアーモンドの皮のような風味。

ESTRANY SOLIDARI 2017

Xarel·lo100%

ただし、通常の醸造を行ったもの50%

発酵の段階で蓋を開けたままの木樽に皮と一緒に六日間入れたもの50%

がブレンドされています。

オレンジワインとまではいかないですが独特の香りと風味。

旨味がありヘーゼルナッツ、くるみの薄皮のようなニュアンス。

さていよいよ大御所的な

Recaredo Terreres Brut Natural 2016

Xarel·lo 60%  ·  Macabeu 20%   ·   Monastrell 6%  ·  Parellada 6%

熟成期間35ヶ月

酸味がしっかりあってカリカリした桃やアーモンド、シナモンのような香りも。

知っていたカヴァとは一線を画しています。

Riserva Particular 2008

(写真撮りそびれました😭)

Xarel·lo ・Macabeu

熟成期間127ヶ月

熟成香があり、バターのようなシルクっぽさ。

ポテンシャルがすごいのだと見せつけられます。

Intens Rosat Brut Natural 2014

Monastrell 86%   ·   Garnatxa 14%

熟成期間54ヶ月

赤いベリーとカカオのような香り。

一緒に見学したロシア系の業界の人たちやワインに詳しいスペイン人の方達と味や醸造の話が弾みます。

試飲はしていないのですが、レカレドではBiodiversityプロジェクトのワイン(発泡ではありません)が2種類造られています。

一つ目は〈蝶々〉

Paralledo100%

標高500mの畑、このブドウ品種は高所が適しているそうです。

そしてこの畑に住んでいる蝶々たちがいます。

蝶は花粉を運び、自生する植物が生えるのを助けてくれる大切な存在です。

バルセロナ近郊にある科学博物館と協力し合い蝶々の生態を調べ、近年の温暖化とその土地の命のサイクルにどう影響しているかを調査しています。

二つ目は〈コウモリ〉

Macabeu 100%

畑の中に小さなケージを用意してコウモリを飼っています。

彼らは周りにいる害虫を夜中に飛び回り食べてくれます。

びっくりするような殺虫剤を使わなくてよい方法。

先祖が住んできた土地を、地球を、未来を大切にする農業。

とても大切なことですよね。

昔、カヴァを単一のぶどう品種チャレッロのみで造り、長期熟成させたのはレカレドが初めてでした。

それまで誰もそのポテンシャルを信じていなかった。

彼らは革命的なのです。

今回カヴァの呼称ブランドから出て品質を上げるためにコプリナットと堂々とボトルに名乗りをあげるレカレド。

同じように賛同したワイナリーたちもいて、彼らもカヴァ呼称ブランドから脱退しました。

カヴァというスパークリングワインの歴史の中で、今また大きな変化が起きているのだなと感じました。

近い未来、「コプリナット」がカヴァとは違う新しい品質の高いワイン生産地として有名になる日がきっと来ると信じています。

 

Recaredo レカレド

https://www.recaredo.com

Carrer Tamarit 10 · CP 08770
Sant Sadurní d’Anoia (Barcelona)
tel : +34 93 8910214
info@recaredo.com

 

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