ロエロ地区に2.5ヘクタールの畑を持つアレッサンドロさんは醸造や農業の専門家としてワイナリーで働き、満を時して2015年に自分のワイナリーLe More Bianche(レ モーレ ビアンケ)を設立しました。

「ずっと夢だった。」
と語ります。
ワイナリー名の Le More Biancheは庭にある大きな木の名前で、甘い白い果実をつけるそうです。
畑を見せてもらった後、このワイナリーのシンボルの木の下で試飲させてもらい、話しているうちになんと夜ご飯までご一緒させてもらいました。
真横の家のテラスから畑が一望できます。
「これが僕の畑だ。」
と嬉しそうに見せてくれます。

素敵すぎる!!!
歩いてみると、赤っぽい土から真っ白の石灰質の土のところまであります。


育っているブドウをみると白い土の畑の方が断然小粒。アレッサンドロさん曰く「きっと、ここのバルベーラは美味しく仕上がるよ!」凝縮感が違うワインになるのでしょう。
お子さんが生まれてから一切の除草剤、化学肥料を使うのはやめ、彼もまた自然に寄り添ってブドウを育てています。
隣にある別の持ち主の畑では使用しているらしく、その間に垣根を作って自分の畑を守ったりといろいろ工夫をしていました。
こうやって生産者さんと一緒に畑に入ると、みんな必ずブドウの葉っぱやらブドウのツルに手がついつい伸びて、話しながら若干作業しています。気になっちゃうんでしょうね(笑)
素人目からはなぜその葉っぱを取っているのかとかわからないのですが、常に木の状態やブドウの状態を観察してケアしてあげてるのが伝わってきます。
ブドウ畑の横にあった木から杏子をもいで「ほら!」と手に投げてくれ、かじってみると酸っぱいけど香り豊かでとっても美味しかったです。
醸造でも今までの伝統的な木樽だけでなく、木の香りがつかないけれど酸素交換があるアンフォラ(甕)やセラミックの入れ物も使用したりしています。

アンフォラよりセラミックの方が酸素透過量が低めで、アンフォラだと酸化傾向になってしまうこともありセラミックも取り入れてみたんだそうです。
Langhe Nebbiolo 2019
20日間マセレーション(皮に漬け込む)、木樽は使わずセメントタンクのみ。
ネッビオーロ種の果実がストレートに伝わるワイン。プチプチした果実の香り。

ちなみに畑に入ると成長過程のネッビオーロとバルベーラの形が全然違うことに気づかさられます。
ネッビはまん丸。バルベはとんがっています。
Barbera d’Alba 2018
2018年は雨が初め多く、その後8月・9月ごろ暑かった年。それがワインにも表れてる。

ブラックチェリー、カシス、甘草…
Barbera d’Alba Superiore 2018
は更に大樽で一年寝かせているので口にジュワッとくる果実感と深みがたまらないです。

Roero San Bernardo 2017
きました!複雑味のある香り豊かな大好きワインど真ん中。
ため息ついて感動していると、
「2018年も味見してみて。全然違うから」と2018年も試飲させてもらいました。
同じ畑、同じ生産者。年度違い。
2017年は暑く乾燥した年で果実の成熟感がありますが、2018年は雨もあり、華やかな香りが立っています。
香り爆弾なので、我が家で使っているZaltoグラスで飲んだらどんなに格別だろうと話していると
「そうなんだ!うちもあったんだけど割っちゃったんだよー!!」
と悔しがりながら、足部分が折れたその彼のおすすめグラスを見せてくれました。
私たちが家で使用しているZaltoと比べると上部の広がりが違います。
薄くて割れそうなのは同じ(笑)
このグラス、かの有名なバローロ生産者Giacomo Conterno(ジャコモ コンテルノ)がドイツの会社Zwiesel Kristallglasと共同で研究開発したSensoryというグラスだそうで、一つ一つハンドメイド。
…注いでみていい?
ここまで聞いたらこのグラスで飲んでみたいですもの。足がなくても上は残ってる!
しかも、テーブルが網目状なので刺せます(笑)

普通のグラスとSensoryで香り比べ…
おぉぉぉぉ!!!
すごい威力発揮します。ふわぁーっと香りがさらに立つ!
そして味も心なしか違います。
いいワインはやはりそれに見合ったグラスで味わいたいですね。
そうこうしているうちに、他のワイナリーで醸造長をしているお友達とトスカーナで家族がワイナリーを経営しているその彼女さんが加わり、話しているうちに家族のおばあちゃんも加わり夕食会に。
「何もないけど」なんて言いながら、ピエモンテで定番のおばあちゃん手作りのグリッシーニから美味しいフレッシュチーズ

カルピオーネという名前の卵、グリル野菜、牛肉がワインヴィネガーをベースの漬け汁に浸してある、これまた郷土料理などをご馳走になりました。

アレッサンドロ自慢のお友達から譲ってもらってるアンチョビも登場。

これアンチョビ奉行の彼氏くんが人生で一番美味しいアンチョビだ!と絶賛。
70のおじいさんが今もリグーリア州でお魚を一つずつ開いて骨抜きして手作りしている代物らしく、魚のむっちり感がしっかりあり塩はしっかり効いているけどとても美味しかったです。
この日、夜は雨予報で遠くに雷が光っているのが見えました。
すると、空砲のドーン!という音が。
「聞いたことあるかい?これは嵐が近づいたときに雹にならないように組合でお金を出し合って空砲を放つんだ。この土地では雹害で畑がやられてしまうからね。」と
何時間かに渡り空砲の音が聞こえる中、ピエモンテの家庭料理とその地で作られた最高のワインを堪能する、なんて貴重な体験でしょう!
知り合って初日、外が真っ暗になるまでずっと、ロウソクの灯をともした木の下でいろんな話をすることができました。
ワイン一つでこうやって繋がれるんだからすごいもんですね。

町観光なんかより、こういう方が何倍も楽しくてステキだと思います。いいなぁ。またまたワインラベルに目がいきました。オリーブの木みたいなラベルの絵、ワインの箱にも印刷されてましたね。ただの箱じゃないのがまたステキ。
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nikonikomaisonさんもワイナリー巡りされると書かれてましたものね。イタリアでもワイナリー行かれたりしますか?旅って人との出会いやその土地の文化を知るきっかけだと思うので、今回は本当に会えて良かったなと思える人たちばかりで感謝しています。私もラベル気になっちゃう派です(笑)
脳が絵で記憶するタイプなのか後から「あれ、このラベル確かあの噂の生産者じゃ?」とワイン探索に役に立ちます(^^;;
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私たちはnaturalwinetuscanyさんのように詳しくないので、泊まったところで紹介してもらったところに行ってみて、試飲してつい買ってしまうみたいな、おのぼりさんタイプです。紹介してもらって行くと、話もはずんだりしてまたとない旅の思い出になりますよね。イタリアでは泊まっているところで、生産者の方とのワインテイスティングっていうのならあるんですが、ワイナリーに行ったことはありません。いつか、ワイナリーに泊まりたいなぁと思っています。
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そうなんですね〜いいですねぇ、出会いのある旅ですね!!なんだか図々しいかもですが、もしもトスカーナに来られる機会があったら、彼氏くんの働いてるワイナリーでもぜひワイナリー案内とテイスティングなんて…他のワイナリーもご紹介したいです。ブログきっかけですが、いつかどこかで交差できるといいなぁ。
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わー是非!そんな風に言っていただけるなんてうれしいです。うちの夫はトスカーナ好きですし(親友が半分イタリア人で、その家族がトスカーナに住んでいるのでよくお邪魔していたらしいので)、私もはじめて行ったイタリアはトスカーナだし、ちょっぴり思い入れがあります。トスカーナワイナリー巡りの旅なんて、考えただけでワクワク。aturalwinetuscanyさんもフランスにお越しの際はぜひご連絡くださいね!
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ごめんなさい、naturalwinetuscanyさんの「n」が抜けてました。ところで、彼氏くんは日本人ですか?それともイタリア人かな?
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そんなにパリ近郊?にイタリア人が潜んでいるんですね笑。(あっ、n気にしないでください^ ^)旦那様はイタリア語…喋られるんですか?私たちは旅の時にフランス語が片言過ぎてワインの内容とかもっと突っ込んで聞きたいのに、悔しい思いをします😅私もそんな風に行っていただけて嬉しいです!!ぜひぜひ!!
彼氏くんは日本人です。働いているワイナリーはちなみにこちらですhttp://www.fattorialavacchio.com/en/index/
他にもOttomani、Montebernardi、Riecine、Podere Ericaなどなどトスカーナならご紹介したいワイナリーがいろいろあります😊お食事どころも!いつかきっと、楽しみにしています!
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ワイナリーのサイト見ましたよ!ちょっと小高いところで、眺めもすばらしくて、気持ち良さそう。アクティビティのところにあったお肉屋コースが気になりました。
日本人二人で異国生活なんですね。私なんかは、フランスのことはやっぱりフランス人が対処した方がいいでしょ、と夫に色々押し付けて甘えていますが、そういうわけにいかないですもんね。夫はスペイン語を理解できるので、その流れでイタリア語も大まかには理解しているみたいです。ただ喋るってなると大変ですが。フランスはイタリア移民が多いので、ハーフというか、今や2世とか3世とかになるのかな、多いですよ。
まあ、いつのことになるかはわからないけど、トスカーナ旅行、あるいはどこかでお会いできるのを楽しみにしています😉
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こんにちは!流石、お肉屋コースに目がいくなんて(笑)
なるほどイタリア人2世3世。そうなんですね〜
いつかきっと楽しみにしています😊
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形ボルドー系?なんだね。
自家製アンチョビ。たまらないなー
もはやスーパーでイタリアの海沿いの会社が作ってるacciughe探すの大変だもんね
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自家製しよう!(笑)
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またまた素敵なところですねー。
畑も人もぶどうも。ラベルのデザインも。
ワインの色も好み過ぎてヨダレものです。
そしてお料理!家の手作りご飯という優しい感じが伝わって来ますね。はーため息。
そしてアンフォラ!
酸素過多というお話を聞いて、だから地中に埋めるのかな?なんて思ったりもして。
セラミックも気になります。
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ワインの色(笑)そこに惹かれるなんてさすがKYOさんですね。でもすっごく分かります!
地元のおばあちゃんの家庭料理って最強ですよね!
アンフォラは酸素過多もだけれど温度を一定に保つために地中に埋めているみたいですね。埋めるのは大変なので、今は醸造所内を一定の温度に保つ技術もあるのしイタリアではあまり見かけないのかなと思います。アンフォラ、セラミック、コンクリートを使ってる生産者のワインが私は好きなんだなと最近わかってきました。やっぱり味にその醸造法の特徴ってありますね。
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