ピエモンテ州ワイン生産者巡り⑦ 伝統的なバローロへの回帰Ferdinando Principiano

ピエモンテ旅行最終日にして4日目。

実はここだけの話ですが、名前違いの生産者へ、ある意味間違えて訪れてしまいました💦

旅行中に回っていて薄々思っていたのですが、この葡萄畑とワイン生産者がひしめき合っているピエモンテという地域には同じ名前の生産者がたくさんいます。

そして、その生産者の名前がそのままワイナリー名になっていることが多いのです。

一体いくつのコンテルノ、いくつのジャコモ、オッデーロやロッカなんてのもあります。

ロックダウン中、ブラインドで飲んだ赤ワインのPrincipiano。

先入観なしに飲んで「いいねこのワイン!」と時間があったら組み込もうと思っていた生産者でした。

私たちのバイブルとも言えるスローフード協会が毎年発行しているスローワインガイド(数あるワインガイドの中で、唯一、派遣したソムリエさんたちがちゃんとワイナリーを訪れてワインだけでなく、ワイナリーの環境や地域に対する姿勢なども記されているガイド本です)を読むと、単一栽培と言われる葡萄畑ばかりの地域で、山を買い、森を守り、カエルのために池を作り、子供達の学びの場になるような果実の樹々を植えたりと「お金になるバローロを生産するための葡萄樹」を植える最近の流れに逆らって、ちゃんとこの地域の自然のバランスを大切にしたいと考えているのがプリンチピアーノ・フェルディナンド氏であると記してありました。おまけに言えばスローワイン認定も受けているとなると俄然興味が湧いたのです。

で、ですね。

行く直前にロックダウン中に飲んだワインのラベルと違うことに気づいたわけです😱

前もって下調べした時にオフィシャルサイトが簡素すぎてワインのページも何もなく、雰囲気でこれはナチュラルワイン系だなと思ったのです。

迎えてくれたのはフェルディナンド氏のお弟子さん(と私が勝手に命名)。

醸造場では今まさに作業中ということで見学はできなかたのですが、素敵なテラスで試飲をしながらたっぷり2時間以上も話を聞かせてもらいました。

目の前に広がる葡萄畑は実はフェルディナンドさんの畑ではないのですが…

そして聞けば聞くほどおもしろい。

ビオディナミ農法を2006年から取り入れているフェルディナンドさんは最良の方法を探すために様々な試行を繰り返しているそう。なるべく自然に近くするために、カビ除けに使われる銅と硫黄を使わない0,5haの畑で実験したこともあれば、イウリさんの植えている地元の珍しい品種ズラリーナを実験的に試したこともあり、またバローロボーイズが一斉を風靡したロータリー・ファーメンターを使った短期マセラシオン(醸し)も一応試してみたことがあるそうです。

「ワインは美味しくなくてはいけない。」という信念の元ガンガン攻めている感じが素敵です。

また、かなり急斜面に生えた、車ではたどり着けないような0,5haの畑に残っている80歳のネッビオーロ種(しかもネッビオーロ種のニケという古い小粒の品種)からバローロを造っています。なんとここでの草刈りは昔ながらの鎌でやっているそうですよΣ( ̄。 ̄ノ)ノ

大学とのコラボで蝶々の生態をこの畑でも研究しているのだとか。

今年の1月に訪れたスペインのカタルーニャ地方、Recaredoでも同じような研究をしていたなと思いました。

やっぱり農業に従事している人たちは敏感に地球の環境の変化を感じているのだなと思いました。

驚きの、最初の試飲は泡から。

Alta Langa 2016

ピノ・ネーロ60%、シャルドネ40%

32ヶ月間シュール・リー。砂糖や酵母を加えずに自社ブドウの汁を後から加えることで瓶内二次発酵を行います。

黄桃や白い花、アーモンドの香り、泡が柔らかく噛む美味しさがあるのでちゃんとご飯と合わせて落ち着いて飲みたい泡です。

Dosset

ピエモンテ旅行でドルチェット種の背景を知り、大好きな品種に昇格したのですが、その「地元が愛した品種」をどんな風にフェルディナンドさんが造ったか…

通常より少しだけ早めに収穫し、20%カーボニックマセレーション(二酸化炭素の中で除梗せず発酵)。

亜硫酸は最低限。だからドルチェットのシンプルでストレートな香りと味が伝わってきます。

気持ちい酸味とタンニン。苺キャンディっぽさもあるけど、どこか一本ピンと立ってる感じ。

Barbera d’Alba 2018

今まで訪れたワイナリーが左側の地区、熟した感があり深みがあるワインが多かったのですが、フェルディナンドさんのは右側、地質や標高の高さも関係しているからか今までの熟したバルベーラ種のワインとは対照的。

ミント、ローズマリー、生の松の実なんかのスーッとした香り。

違いを感じることができるので実に面白いです!

あちらも好きだし、こちらも好き!

Barolo 2016

先ほど書いたようにモダンな醸造方法も試した後で、今は25〜30日の長いマセレーションと大樽で長期熟成。

重心の高い、複雑味のあるワイン!

下調べして是非行きたいと思ったワイナリーではあったのですが、発端の飲んだワインとは違うワイナリーに突撃訪問してしまったわけですが、結果、行くことができて本当によかった生産者さんでした。

試飲中、フェルディナンドさんが作業から抜けて顔を出してくれてご挨拶。

髪の毛を後ろに結んでいる姿が若干サムライ風。

そして試飲中、ずっと気になっていたハチ公みたいな秋田犬がいたので「あのワンちゃんは…」

と聞くと「あぁ、ハチって言うんだ」

マジ(爆)

「今までいろんな犬を飼っていたけど、秋田犬のハチのような個性を持った犬は初めてだ。

主人以外に対しては一線を引いていて、今まで犬ならこう反応するだろうと予測することに対して全く違う行動を起こす。彼は本当に頭がいいからこちらもその彼に敬意を払って接さなければならない」

この犬のエピソードだけを聞いてもフェルディナンドさんがどれだけ動植物、自然を観察し、謙虚に理解した上で最良の接し方を探そうとする姿勢が伝わってきました。

勘違いが好転していい出会いを運んできてくれたことに感謝です。

それにしても…フェルディナンドさんには口が裂けても言えないな。間違えましたって😅

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