
広大な湿地帯に船で出て行き、鰻の漁場へ向かうツアーへ出発!
湿地帯にはフラミンゴや他の鳥たちもいて、水にちゃぷんと潜っていく水鳥を見かけたりしました。

向かう間、案内人のダリオさんがウナギの面白い生態について話してくれました。
日本のウナギの産卵場が発見されたのは2000年代になってからと聞いてはいましたがヨーロッパウナギの産卵場もまだ確たる証拠がない状態らしいです。
この鰻というのは本当に不思議な生き物で、日本鰻含めた他のアジアの鰻たちはみーんなグアム沖の海域で生まれ散り散りになるそうなのですが、ヨーロッパウナギの生まれ故郷はなんとイタリアから8500kmも離れたアメリカ大陸東側のサルガッソ海なのだそうです。
1歳ぐらいの若い鰻たちは長旅を経てこのアドリア海、ベネチア近くのコマッキオの広大な湿地帯にたどり着き幸せな時間を過ごします。そして、10歳ぐらいになってからの10月~11月のある夜、様々な条件が揃うと一斉に海に出て行き産卵場まで旅をするのだそう。
一旦海に出ると一切食事をしないのだとか。あの脂の乗った体は長旅のためのエネルギーなんだなと納得。
しかも湿地帯にいるときは水深50cmとか80cmの場所に生息しているくせに、産卵は水深700mのところまで潜るのだと!まるで急に深海魚…見た目もだけど、生態もかなり異質な品種ですよね。
漁場に着くとカーポヴァッレ(直訳すると、この湿地帯の長)が迎え入れてくれました。
周りの道具にすでにワクワクします。

奥に見える三角状になった罠と鰻の習性を利用して漁が行われます。

鰻たちが海に一斉に出る夜を見計らい、三角の罠を閉めるのです。
一年の五日の間にその年の鰻漁の収穫量を一気に獲ってしまうのです。
近年、絶滅危惧種に指定されたこの鰻たち、彼によると人間の乱獲も原因だと。
それは昔ながらの方法で大きくなった鰻を一部だけ獲り、残りはちゃんと産卵のために海へ逃すのではなく、2月にまだ小さい状態で一斉に湿地へ入ってこようとするのを根こそぎ獲っていったからだと。
それは養殖されて食べられる鰻なのだとか。
コマッキオでは2月ごろ、「水でオールを打ってはいけない」と言う言い回しがあり、小さな鰻達がこの地にやってくる時、船で出て漁をすることを禁止しているそうです。
このカーポヴァッレたちが行っている鰻漁で取れるのはもちろん天然鰻、そしてこの漁の方法や絶滅しかけていることからスローフード認定を受けているのです。
11月ごろに収穫された鰻は一部は私たちがこの前に訪れたManifattura dei Marinatiマニファットゥーラ デイ マリナーティ へ(ここだけ天然鰻を漬けているのです)そして、残りはクリスマス前の数日間に大体キロ20ユーロという決まった値段で売られることになっています。(値段競争で高くならないように定まってるようですね。素晴らしい)。
つまり一年の5日間で漁が終わり、2日間ほどで全部売り切れるんですね。
鰻の習性を利用して捕まえた一年に一回この時期にしか食べれない大切な食材。
これがイタリアでは鰻はクリスマスに食べるものとなった由来なんだなと感じました。
カーポが鰻を網で寄せて見せてくれました!


日本のウナギに比べてもかなりムチムチして大きく太いのがうにゃらうにゃらとしてるので大興奮してしまいました。

見よっ!40年この仕事を続けているカーポの職人オーラを!

見る見るうちに白いニュルニュルが出ていました。

誰か持つか?と聞くのを皆さん苦笑いしている中、触る触る!と一人ではしゃいでいました(ごめんなさい)
触り心地、すっごく気持ちよかったです(笑)
カーポにお礼を言って、フラミンゴを眺めるスポットへ。

以前はサリーナ(塩田)があったところだそうです。
今はほんのごく一部しか作っていないそう。

約2時間ほどのツアーですがコマッキオの心を学ばせてもらえるとっても良い体験になりました。
町に戻って散策。

まるで小さなヴェネツィアです。

魚屋さんで鰻を見つけ…思い切って買いました!


流石に生の子の解体は難しいので綺麗に魚屋さんに開いてもらい、家に帰って焼いたところ、感動の美味しさでした!
小さな町だけれど、人も、自然も、伝統も、なんだか「豊さ」のある町だなぁと心が暖かくなりました。

ちなみに、残念なことにこの日、帰宅後にコロナに関して新しい法令が出され、翌日からサグラ(町のお祭り)は禁止。様々な制限が出てしまいました。
この日の出会いと体験がますます貴重だったなと思わずにはいられません。
Grazie a tutte le persone che ho incontrato durante l’ultimo giorno della Sagra di Comacchio prima del DPCM, un’esperienza indimenticabile!! Quando la pandemia è finita, torneremo!
鰻ってそんなに移動するんですね~。
というか、太っ!!大っきい!!(゚д゚)!
生きてる鰻はちょっとグロテスクです…(^-^;
触るとは勇気ありますね~。
ヨーロッパのこと、日本のニュースでもやってました。
やはり寒いのがダメなんでしょうね…。
しばらくは自由に外出できないでしょうが、貴重な体験ができてよかったですね(^^)/
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ですよね?!日本のものより太いですよね??
大体ナスやきゅうりなんかの野菜もビスケットのパッケージもどれも大きいイタリア、鰻までも大きいの?と思わず突っ込んでしまいました(^-^;
イタリア、ついに一日の感染者数が3万を超えてしまいましたね💦
周りがロックダウンになるんじゃないかと不安になっている雰囲気が伝わってきます。
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いや、滅茶苦茶大きいですよ~!(゚д゚)!
なるほど、人間も大きいですからね~。って違うか(^-^;
日本も徐々にですけど、増えてきてます…。
この冬が勝負ですね…”(-“”-)”
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本当に、もういつかかってもおかしくない状態でちょっとびくびくしています。
健康って本当にありがたいことです。気をつけましょうね!
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こんにちは。パッチングワーカーです。羨ましいです。1991年に初めてヨーロッパに赴任になった最初のクリスマス休暇にソレントに行ったのですが、その時うなぎ料理が出てきました。ぶつ切りにしてニンニクとオイルでソテー?してものでした。その時は『蒲焼食わせたい』って思ったのを覚えています。
でもバゲットを食べて』山崎パン食べさせたい』って思ったので、私の下も当てにならないのは確かです。
これからもよろしくお願いします。
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初めまして!コメントとっても嬉しいです😊
なんとソレントで鰻を召し上がったことがあるんですね!こちらの鰻は素材をそのまま食らうという感じですよね。でもその素材にこだわりがあり、歴史があり、地域の文化がある。それを知るととても面白いですよね。
イタリアは他にも回られたのですか?
ところで、天然酵母を飼い初めの頃、パートナーが日本の食パンのようなものを作ってみたい。と言い、制作したところ(本気で)ふわふわだけど、全然違うシロモノができたことがあります。私個人の意見ですが、風味やリッチ感があり「こっちの方が断然好き!」と伝えました。(納得していなかった様子ですが)「美味しい」って主観的だし、慣れからというのもあると思いますが、体も心も美味しいと思えるものを食べれるとき「幸せだなぁ」と思います。
長々とすみません😅
ブログおじゃやまさせていただきますね。
よろしくお願いします!
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