久しぶりの投稿となってしまいました。
去年の秋頃からアップダウンはあるものの、トスカーナ州どころかフィレンツェ市内からも出れないような日々がずっと続いていました。暗くて耐える冬。
それが、やっと、やっと!暖かい風とともに州を跨ぐ移動が可能な規制緩和が出され、ワクチンの効果も出始めたのか、感染者数もなんとか減り始め、町から出たり、お持ち帰りだけでなくレストランが開くようになりました。徐々にですが、人の生活が戻ってきました。
正直、バール(こっちでいうカフェ)がテラス席のみですがオープンした初日の朝、立ち止まってフリーズしました。人が座ってコーヒーを飲んでいる!と違和感を感じ「普通の生活」を普通でないと感じるまでになっていたんだと。
町から出れるようになって真っ先に行きたかったのはもちろんブドウ畑。
春のブドウ畑。その成長を見たい!
ということで、やっとの思いで有給を一日とり…エミリア・ロマーニャ州のワイナリーとヴェネト州のワイナリーへ弾丸日帰り訪問してまいりました。
ワイナリー訪問はイ・マンドルリのマッダレーナさんへ会いに行った奇跡の一回を除けば、去年の7月のピエモンテ旅行以来です。11ヶ月間…泣きそうでした。てか泣いてました(笑)
待ちに待った風景の中へ戻ってきました!

5月、ぶどうの花の小さな蕾が見られます。

今年は4月に数日暖かい日が来た後に寒波がやってきて(雪が降りました。4月に。)どこの畑でも被害が出ています。2017年以来の打撃。
ここの畑で元気に空へ伸びていく姿を見て一安心、頑張ってねと声をかけてしまいます。
Paltrinieri パルトリニエーリは1924年から続く家族経営のワイナリー。

全体で17haの畑を持っていて、そのほとんどがワイナリーの周りにあります。

曾おじいさんの代から続く当時のままのワイン醸造所。

数年前にリノベーションを施して綺麗に見えますが、コンクリートタンクなどは当時のものをそのまま使っています。
エミリア・ロマーニャ州といえば、美味しいパルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノやコテキーノと呼ばれる豚の詰め物など脂っこい(そして美味しい!)ものが有名です。
この美味しい地元料理にピッタシなのが発泡酒のランブルスコ。
シュワっとした泡が脂と合います。
そして、ランブルスコに使用されるブドウ品種にはLambrusco Salamino, Lambrusco di Sorbara, Lambrusco Grasparossaの三種類があります。
PaltrinieriはSorbaraソルバーラ地区にワイナリーを構えている事からもわかるようにソルバーラ種が十八番。
実は、品種を混ぜるのが一般的だったランブルスコ界で革命的とも言えることを行なったのです。
現オーナーのアルベルトさんのお父さんが昔、お母さんと、実はソルバーラ種だけで造るランブルスコの方が美味しいと気づいていました。皮が薄く、ワインの色が赤くならないソルバーラ種のみを使用したランブルスコを造るという発想は当時ありませんでした。
品種特性を活かしたランブルスコを、美味しいものを造りたい、そう思って作り始めた当初、色があまりにも薄いランブルスコを受け取った客が「こんな色おかしいだろう」と返品してきていたそうです。
でも、見てください。
この綺麗な淡いグラデーションのワインたちを。


この美しい色をつくっていてるソルバーラ種は植物としてちょっと変で…雄しべの生殖能力がなく、受粉がうまくいかないそうです。
この品種だけを植えると実がならないので、3対1の割合でサラミーノ種を植えて、ソルバーラ種が受粉できるように助けているそうです。
そしてこのソルバーラ種、花ぶるいを起こし、実が小さいものが多いので皮の割合が普通のぶどうの実よりも多い。
パルティニエーリのこだわりは品種に対してだけではなく、それぞれの区画ごとに醸造を分けて、それぞれの区画の特徴を現したワインにすること。

Radice
ソルバーラ種100%
若いけれど、ピンとした酸味と桜やさくらんぼのような香り。甘ったるさはなく真っ直ぐなワインです。
Sant ‘Agata
ソルバーラ種100%
Radice に比べて果実味があり、高音(重心の高いワイン)です。
Piria
ソルバーラ種、サラミーノ種
二種類になったことで二つのキャラが合わさっています。
しっかり酸味があるけれど、後味に受け止めてくれるベースがあり、少し濃さが出ているといってもいいかも。
La riserva
ソルバーラ種100%
ねかせているランブルスコ初めてです。そして美味しい!
ハーブ感やスパイス感が加わり香りや味の層が増えています。
Salco
サラミーノ種100%
品種が違うだけに急に違うニュアンス。
さくらんぼ系だったソルバーラに比べ、こちらは木苺なんかの赤い果実味。
高音、低音、オーケストラ、たった二つのランブルスコの品種が違う作り方になっただけで全く違うワインへと変身ていて面白い!

Cantina Paltrinieri
Home
お久しぶりです!
お元気そうで何よりでした。
ちょうど週末、ランブルスコを飲んだところで、なんてタイムリーな!と思いました。
泡の美味しい季節になってきましたねー。
私が飲んだのは辛口赤のランブルスコで、マラーニとサラミーノが40/40。かなりベリー感の強いタイプでした。
さくらんぼ系というソルバーラのランブルスコがとっても気になりました(^-^)
いいねいいね: 1人
KYOさん、コメントありがとうございます!本当にしばらくぶりになってしまいました💦
周りにコロナにかかる人も多く他人事でない近さでしたが、私達家族は幸い今のところ大丈夫です!
ワクチンの順番もやっと回ってきました。
KYOさんが飲まれたランブルスコどんなのか気になります〜
毎年6月2日はランブルスコの生産者が集まる試飲会があるのですが、今年はもちろん去年に引き続き中止。
ランブルスコと言っても本当にいろんな種類があって奥が深いですよね。
いいねいいね: 1人
日本では、悲しいかな、老人の摂取率すらまだまだ低い状況です。こんな状態でオリンピックとか、あり得ないだろうという気がしているのですが、もう6月なんですよねぇ。。。
夏と言えば泡!ですね。
イタリアの泡だとフランチャコルタも美味しいですけど、以前教えて頂いてから、ランブルスコも良いなぁと思うようになりました。ありがとうございます(^-^)
いいねいいね: 1人
グーグルさんの統計機能すごくて、たまに国ごとの曲線グラフを見てます。感染者数とワクチン接種率がやっぱり関連してるのが見て取れるので、こんなに「進んでる国」とイタリア人がいつも誉めそやす日本の摂取率が低くてビックリしました。
オリンピック心配ですね💦
私もKYOさんのブログから興味深いものをいろいろ教えいただいてます!ありがとうございます(^^)
いいねいいね: 1人
お久しぶりです。こんにちは(^^♪
ランブルスコ、赤の泡を飲んだことありましたが、どうもそれは苦手でした。
(安いのだったからかな?(^-^;)
ソルバーラ種のワイン、色が淡くて綺麗です。飲んでみたくなりました(^^♪
最後の写真から、楽しさが伝わってきました(*^^)v
いいねいいね: 1人
本当にお久しぶりです!コメントありがとうございます😊
仕事が怒涛の忙しさでさらにコロナで外出も出来ず、ブログが滞ってしまいました💦反省…近々良いお知らせを載せれるといいなと動いているところです。
写真…苦手なんで顔強張ってますよね😅
夏の夕暮れにシュワッと酸味のきい泡でアペリティフとかできたら幸せですよね♪
いいねいいね: 1人
ロックダウンしていたり、いろいろ大変なニュースは日本でも目にします。
でも、こうしてお元気そうなお姿が見れて嬉しくなりました。
写真、全然!!
相変わらずお綺麗だな~って思って見てました(*^^)v
海外には当分行けそうにないので、記事がホントに楽しみです(^_-)-☆
夏の夕暮れにシュワっと酸味の効いた泡でアペリティフ~!!
想像しただけで楽しくなりますね(^^♪
いいねいいね: 2人
精神的にも参ってきますよね(~_~;)
そんな風に言っていただけて嬉しいです!これからもいろんなことをお届けできるように頑張りたいと思います(o^^o)
いいねいいね: 1人
ランブルスコ大好きです。かなり前ですが仕事でポローニャに入り浸りの時期がありまして、ランブルスコとサンジョベーゼの大ファンになりました。
モルタデッラもランブルスコに合いますよねー。
トルッテリーニアラパンナにもバッチリだと思います。
問題はひとつ、軽いので飲みすぎますよね^_^
いいねいいね: 1人
現地にいらっしゃってたならきっと美味しいランブルスコ堪能されたんでしょうね〜!
本当に何と言っても現地の食べ物と合わせると最強ですよね!
実はトルテッリーニこの後に食べたんですよ♪
フィレンツェから電車で1時間の距離なのにエミリア・ロマーニャって断然美味しいものが多い気がして(トスカーナは塩っけが強すぎる)ずるいなーと思ってます(¬_¬)
ワイン初心者の頃はサンジョーヴェゼの良さが最初わからなかったのですが最近は私もサンジョーヴェゼ好きになりました!イタリア人によくある地元愛かな?笑
いいねいいね: 1人
日系企業のエンジニアをしていて、ヨーロッパ内で設備を調達することになってドイツとイタリアの設備メーカーが候補に上がったんです。イタリアはいい加減なイメージがあって本命ではありませんでした。機械を見てあまりのレベルの高さに驚き、ランチでご馳走になったトルッテリーニアラパンナ白トリュフ添えにイチコロ。そこから私のイタリアびいきが始まりました。ボローニャは美食の街です。パスタの概念も塗り替えられてしまったし、ワインも。社員食堂のパスタでさえ感動的です。本物のモルタデッラとサンジョベーゼの完璧なマリアージュはボローニャでしか体験できません。日本で手に入るモルタデッラとサンジョベーゼでは役不足です。イタリアにお住まいなんで羨ましすぎます。
いいねいいね: 1人
言葉にするのが難しいぐらい、うんうんと頷きながら読ませて頂きました。日本の生ハムメロンとイタリアで食べる生ハムメロンって絶対味違います(だってまずメロン違うし組み合わせた時の味が違いますもの)。一緒に食べる人で味って変わると思いますけど、ヨーロッパの気候と日本の気候でも変わると思うんです。大体イタリアのドルチェなんて日本に持っていくと甘すぎる😅
パッチングワーカーさんが経験した「美味しさ」にはいろんな要素が絡まっているんだろうな、なんて想像します。経験って何よりの豊かさですよね。
…イタリアの方が絶対機能性に関しては悪い気がします(笑)
いいねいいね: 1人