何度もブログにちらほら出してはいましたが、実は彼氏くんが働いているファットリア・ラヴァッキオのワイナリーに関してきちんとご紹介していないことに気づきました。

ある日曜日。彼氏くんは仕事。自然の恋しい私はついて行って広い芝生と青空、山々の風景を堪能してまいりました。
フィレンツェから北東へ車で30分ほど、標高400m程のルーフィナ地区にあるファットリア・ラヴァッキオはオーナーのフェイ率いる家族で経営するワイナリー兼アグリツーリズモです。
26haのブドウ畑に囲まれ、お泊まりできるファームハウス、自家栽培の畑から取った無農薬の野菜を使った料理を堪能できるレストラン、プール、乗馬や陶芸なんかのアクティビティもできます。季節になれば周りの森でトリュフ狩りも!
さて、ワイナリー。
現在は畑ではオーガニック、ビオディナミ農法を採用。

キァンティ・ルーフィナ地区に指定されているので主な品種は黒ブドウのサンジョヴェーゼですが、他にもメルロー、シラー、白ぶどうはトレッビアーノ、シャルドネ、トラミネールなどを栽培しています。
私が訪れた6月初めはまだお花は咲いていなくて可愛らしい蕾がついていました。

サンジョヴェーゼって百変化するブドウだと思ってます。
そして、ラヴァッキオのワイン・ラインアップにはその百変化の一部を味わえるいい例だと思います。
トスカーナ州の地元品種であるサンジョヴェーゼは酸味とタンニンが強い。
つまり長期熟成にも向いている要素を備えたポテンシャルが高い品種。

ラヴァッキオでは亜硫酸を一切加えずに造ったPuroプーロ・シリーズがあります。(写真の左から4本)
赤の二種は全キャンティワインDOCG史上で亜硫酸無添加初となりました。
白い泡(トレッビアーノ種)、ロゼの泡(サンジョーヴェ種)、赤(サンジョーヴェゼ種)、赤のリゼルヴァ(熟成を長くしたもの)の四種類。
簡単に亜硫酸フリーと言いますが、(日本のスーパーに売っているもののように)香りを飛ばしてしまう加熱殺菌や別の化学薬品を使わない限り、亜硫酸を加えないこと自体かなりリスキーです。
ワインの状態を安定させてくれるので、少量でも入れない場合、開栓した時「うーん、臭いかも」になる可能性は否めません。
ビオワインやナチュラルワインの名の下に亜硫酸を加えてないと言って臭いワインになってしまっては残念でしょうがないと思います。
また、イタリアでは一定値=10ppm以上の亜硫酸がワインに含まれている場合は「亜硫酸が入っています」と造り手が亜硫酸を加えていなくても記さなければいけません。
醸造段階でブドウの発酵から少なからず自然に発生するものなので「亜硫酸が入っていない」と表記できるワイン造りはとっても難しいのです。
ラヴァッキオのプーロはサンジョヴェーゼ100%(つまりプーロ=純粋な)の赤が最初にリリースされました。

いかに亜硫酸を醸造段階で発生しないようにするかフィレンツェ大学のチームと研究し、酵母を自分のブドウから採取した後、そこからセレクションして使うようにしています。
ステンレスタンクのみで醸造。

サンジョヴェーゼ種のストレートな若いピュアな味わいが伝わってきます。
木苺、プルーン、ハーブ。温度は少し低めで夏でもトマトベースの夏野菜パスタなんかに合うと思います。
ラヴァッキオの最もベースとも言えるCedro Chianti Rufinaチェードロ・キァンティ・ルーフィナは伝統的なブレンドでサンジョーヴェ種に加えて地元品種のカナイオーロ種、チリエジョーロ種がそれぞれ5%ブレンドされたワイン。

昔は黒ブドウと白ブドウがごっちゃに畑に生えていて、一緒に収穫してワインにしていた時代もあるキァンティワインはその昔サンジョーヴェ種だけではいいワインは造れないと言われていました。
100%サンジョヴェーゼのみでワインを造ろうと思い立ったのは素敵なワインラベルでも有名なモンテヴェルティーネというワイナリー。

お孫さんと行きつけのナチュラルワインバールでおしゃべりしたことがありますが、サンジョヴェーゼ種のみでワインを造ろうとしたお祖父さんの信念と絶対おいしいという自信はすごいものだったようです。
ブレない昔ながらのブレンドで大樽18ヶ月熟成のチェードロはプーロと違いしっかり口に含めて味わいたい重さが加わります。サンジョヴェーゼ特有のハーブ感はありますが、さらにリコリスや黒い果実味、タンニンもしっかりあります。
これこそ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(トスカーナ名産Tボーンステーキ)に合わせたいです。
3年前のクリスマス会で1995年のチェードロを試飲しましたが、いい年のとり方をした生き生きとしたワインでした。歳をとったときに分かる底力はブドウ本来の良さですね。
そして、重鎮Ludiéルディエ

60歳の古い樹から採れるサンジョヴェーゼのみ使用したクリュ・ワインです。
古い樹しか造りだせない味ってあります。
このブドウたちを地元産の大樽にしっかり36ヶ月寝かせ、さらにボトルでなんと7年熟成。現行は今2011年です。

もはやカカオ、熟したアメリカンチェリー、木樽由来のアニスやクローブ。
冬にジビエの煮込みをソースにしたカカオのパスタなんて合わせてみたいです。
こんなふうに同じ生産者でもサンジョヴェーゼって七変化するんですよ。
樹の仕立て方法、地質、気候、畑の方角、畑のブドウの列や左側か右側に生えているかだけでも変わるので、トスカーナだけでもどれだけのバラエティあるワインがあるか想像できると思います。
ちなみに、我が家で毎年実験的に造っている赤ワインもサンジョヴェーゼちゃんです。

食用でないブドウって美しい形。

サンジョヴェーゼに焦点を合わせて書かせていただきましたが、他にもトスカーナの伝統的な甘口ワイン( 記事はこちら )などもあります。

コロナ終結まできっとあと少し!と信じています。
そして日本の皆様も早く自由にイタリアや他の国へも動けるようになるといいな。
機会があったら是非、会いにきてください!
…ブログを書き終わった後に彼氏くんが日本の旅行会社さんを通してオンラインツアーをするのを知りました(早く言ってよ!笑)
Zoomを通して無料で気軽に参加できるようです。
日時:2021年6月19日(土)18:00~(日本時間)
詳細はこちらです↓
Fattoria Lavacchio 公式サイト
(‘-’*)オハヨ♪ございます。
彼氏さんが働いておられるところは訪問するだけでも十分に楽しめそうですね。ブドウ畑が広がる風景にヨーロッパを感じました。
Zoomでワイナリーツアーですか!Zoom使い方知らないので参加出来ませんが、多くの方が参加される事願ってます。
国内外への旅行が自由にできる様になるのはまだまだ先のようですね。定年したら女房と海外旅行を楽しんでなんて思ってたのですが、我が家の場合高齢のお袋が同居してるので、お泊りでの旅行は出来なくなってしまいました(苦笑)。
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こんにちは!
定年して奥様と旅行なんて素敵ですね〜子供の頃から家族運があまり良くないので、憧れます。どこに行っても、一緒に共有できる人が横にいるっていいなって思います。
恥ずかしながら日本の素敵な場所をあまり知らないので、その時は…記事を楽しみにしています(^ ^)
日本だったら昔からのお醤油を作ってるところや、酒造、日本独特の自然…実は行ってみたいところはいっぱいありますが…遠いですね(笑)
私も写真満載のこちらの様子をお届けしますね!
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素敵なワイナリーで働いていらっしゃるんですね!!
広大なぶどう畑、ワクワクします!!
メルボルンのヤラバレーには何度か行ったことありますが、ワイナリー巡りは好きです(*^^)v
サンジョヴェーゼ、ホント美しい形のぶどうですね。
美味しいワインになりそうな予感です(≧▽≦)
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メルボルンのヤラバレー!面白そうですね!そして広大そうなイメージ。
オーストラリアだとシラー種?なのかなぁ。あまり飲んだことないので気になります!
ロックダウンの反動で余計に自然の多い広いスペースに行きたくなっちゃいますよね!イタリアはやっと観光客が少しずつ戻ってきましたよ〜
このまま終結にむかうといいな。
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どうなんだろう??
モエシャンドンのワイナリーでした。
でも、約20年前の話…(^-^;
イタリアやフランスとか普通に生活できてるっていうニュースを見ました!!
ほんとこのまま終結して欲しいものですね(^_-)-☆
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素敵ですねぇ。サンジョヴェーゼ、説明を読んでいるだけで涎が出てきました。
19日は出掛けてしまうので、参加出来ないのが残念です。とほほほほほ。またの機会をお待ちしております。
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そんな風に言っていただいて、ありがとうございます😊
ブログを書き始めて数年、細々書いてるのに、いつのまにか同じ方向を見てる、同じことが好きな人たちと繋がっていけるのがとても嬉しいです。
サンジョヴェーゼって🏺アンフォラで醸造したやつが美味しくて好きな場合が多いです。ピノは木樽が合うように、品種として合うんだろうなぁと思います。
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