ワイナリー・トッレフォルネッロ2021年、春霜や火事を乗り越えて驚きの香りのワインを造り続けるエンリコさんと再会

トッレフォルネッロはコッリ・ピアチェンティーノという北エミリア・ロマーニャ州にあるワイナリーです。

オーナーのエンリコさんと出会ったのは2018年の試飲会。忘れもしない印象的なワイン造りとその香り&味に惚れ込んで初めてワイナリーを訪問してから3年が経ちました。

「元気にしてる?」と突然のメッセージ

「元気だよ!そっちは、大丈夫?ぶどう畑が火事にあったって聞いたよ?」

「そうなのよ。話したいことがいっぱいよ、遊びにいらっしゃい!」

誘ってくれたエンリコさんのもとへ会いに行けたのは7月下旬。

60haのブドウ畑に加えワイナリーのある小さなお城とも言えるヴィラでのイベントや結婚式など全てを細部までケアしている忙しいエンリコさん。そんな中、一緒に地元料理を美味しくいただけるオステリアでいろんなお話を聞くことができました。

2021年は地域にもよりますが気候による影響が厳しい年。4月初めの春霜(フィレンツェ近郊で雪が降ったぐらい気温が低下)、雹害、8月の40度越えの暑さ。

イタリアに住み始めて17年。当時に比べても地球の気候がおかしくなってる!と毎年思います。でも、今年は特にひどい。そして時期違いの寒さや雹なんかが来るたびに畑や生産者たちのことが頭をよぎります。

エンリコさんのところでは霜でボナルダ種の一部とバルベーラ種の一部を失いました。そこにきて、その次の週にぶどう畑で火事があり畑の一部が燃えてしまいました。原因はおそらく誰かの捨てタバコ(怒)。雨が降らない時期が続き乾燥していたため一気に広がってしまったようです。

一生懸命に火を消してくれる消防士たち。それを見守るエンリコさんの姿を思い浮かべ、もう二度と戻らないぶどう畑の姿を想像し、心が痛みます。

畑でも醸造でも一切手を抜かない。自ら畑に入り、収穫するチームは1週間講習を行った人だけ、発酵時期は毎朝温度調節をタンクごとに自分で調節。とにかく細部細部に目を光らせ美味しいワインにたどり着く努力や工夫を怠らない彼のことを知っているだけに畑がどれだけの努力と毎日の仕事の結晶なのかがわかります。

結晶のワイン、試飲の最初は

Olumbra オルンブラ(2014年収穫、2019年澱ぬき)

イタリアでは珍しいフランス品種のマルザンヌ90%と地元品種のマルヴァジア10%。45ヶ月間シュールリー(澱につけています)!!

マルザンヌはナポレオンがこの地域に持ち込み定着したのだとか。酸味の少ないこの品種を果実の熟成が遅いマルヴァジア品種の酸味が残っている時期に同時収穫し、醸造することで発泡酒に欠かせない酸味を足しています。

品種、そして澱につけていることからくるエンリコさんだけが出せる旨味のある発泡酒。

口にミネラルがあり、ムスクやヘーゼルナッツ、なぜか海藻!の香り。複雑味のあるワイン。

おつまみに出してくれた、地元のコッパ、サラミ、パンチェッタなど。

コッリ・ピアチェンティーノはイタリアでも唯一三つのDOPの認定を受けている地域でこの三種類がそれなのだとか。

エミリア・ロマーニャ州は生ハムやサラミ類がとにかく美味しいですが、エンリコさんが並べてくれたこの子達、薄く切ってあり、トスカーナの塩見の多いのと違い、熟成した甘味が味わえ、ワインともよく合い最高でした!

お次はDonna Luigiaドンナ・ルイージャ

品種はマルヴァジア・ディ・カンディア1種類ですが、50%を普通の白ワイン醸造の方法で、40%を皮に漬け込み、残りの10%を12月までブドウの樹にそのまま残し、ボトリティスという貴腐菌がついたブドウを使用。9ヶ月後にアッサンブラージュ、つまり混ぜます。

異質の造り方!そして、個性際立つ香りと味!だから好き!

花梨、ライチ、ナッツ類の香り。そして口の中でまるでノミで削って形作ったような複雑な美味しさ。

エンリコさんのワインは香りと味に驚きがあります。

Nero Lucido ネーロ・ルーチド

ピノ・ネーロ100%、60歳の古樹。

同じネーロ・ルーチドの2012年を市場に出した時まだまだタンニンが濃く、この子は待ったほうがいいと思った2010年のネロルチ。ちなみに13年、14年は造っていません。

新樽100%に全然負けないピノらしさと熟成感。フィルターにかけていないので澱からくるカカオのような旨味もあり、一級品のピノ!

ここで一旦、トッレフォルネッロから車で10分程度の場所にあるエンリコさんのワインも飲めるトラットリアAntica Trattoria Del Tempioへ移動。

入った途端、エンリコさん周りの席の人がほとんど知り合いだったようで紹介してくれました。

知り合い=この地域のワイン生産者(笑)

ワイン生産者に囲まれながら、地元のトルテッリTortelli Piacentini (中はリコッタとほうれん草ですが織り込み方が独自!エンリコさんのお母様がパパっと作るのが得意だそうです)

ピサレイPisarei e Fasò(パンと小麦粉を混ぜたパスタにトマトベースの豆ソースを混ぜた一品。。驚く要素がなさそうな原材料の組み合わせですが、驚く美味しさなんです!!

牛肉の煮込みも素朴なのに美味しい!

お供にはエンリコさんがサラッと後ろで頼んでくれたのか、さっきまでこの料理を作っていたオステリアのご主人がアコーディオンを持って生演奏しに来てくれました。

イタリアのカンツォーネに美味しいワインと食、これ以上何が望めようか!

厳しい年でも、変わらず「この“仕事”が大好きなのよ」と美味しいワインを追求し続けるエンリコさん。忙しい中、時間をさいて一緒に過ごせて嬉しかったです。

ありがとう!また会いに行きます!

…余談ですが、せっかくカメラの方で撮った写真がなぜか消失。

ぽっかりその部分だけの写真全部を消去するとは考えにくいので、何か原因で消えたのかな?と思っているのですが、かろうじてスマホで撮った写真しか残っていなくてとっても残念。

せっかくブログに載せようと思い素敵なワイナリーを撮っておいたのに。

ということで、今回は写真少なめでごめんなさい💦

前回訪問の記事にワイナリーのカーヴの中や彼の情熱あるワインたちの記述はこちらにあります↓

14件のコメント 追加

  1. 羨ましすぎます。朝なのに食べたい、飲みたい。イタリア良いなー

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    1. 次回は、サラミや生ハム写真の記事は夕方に載るようにしますね(笑)

      いいね: 1人

  2. saganhama より:

    (‘-’*)オハヨ♪ございます。
    製造過程や生産者の気持ちを知って味わうワインの味は格別ではないでしょうか?と言いながら私はアルコールはチョットだけしか飲まないのですが(笑)
    出されたおつまみも美味しそうですね。そちらの方に興味が湧きました。ヨーロッパのハムやチーズってバラエティー豊かで本当に美味しいなと思いますよ。
    イタリアはどうなのか分かりませんが、20年以上も前の話ですが、ベルギーの人に聞いたら日本酒はライスワインと言って結構人気があると言ってました。地方の日本酒の酒蔵もワインと同様に生産者のこだわりって凄いなと思います。

    いいね: 1人

    1. おはようございます!
      本当に、生産者を知って味わえるってワインだけでなくて例えば地元農家のお野菜とかでも食卓にのると幸せな気持ちになれますよね(^^)
      ライスワイン、なるほど!わかりやすい名前ですね(醸造の工程が似ている部分もありますものね)こちらでは「Sake」と呼んでいるイタリア人が多いです。日本食ブームもあり、日本酒も最近浸透してきてます。
      同級生で酒造に嫁いだ子がいて、地元の米農家さんから米を仕入れ(地域の仕事を増やしたいという意思もあり)昔ながらの伝統的な方法でつくっていると聞き、いつか日本に遊びに行ったら是非見学したいなーと思っています。
      お醤油造りなんかも奥が深いですよね。
      なんて言いながら、もうかれこれ7年ほど日本には帰れていません(^^;; とほほ。
      生ハムもいいけど、美味しいお豆の味がするお豆腐なんかが恋しいです(笑)

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  3. nikonikomaison より:

    NATURALWINETUSCANY さんのコメントに同感です。私も美味しいお豆の味がするお豆腐食べたいなー。でもその薄切りの生ハムもいいですけどね。私は、なぜかフランスの生ハムが好きではなくて(フランス人薄切りが苦手らしい)、イタリアでなら美味しいと思うんです。それにしても、NATURALWINETUSCANY さんのワインの味や香りの表現がステキ。

    いいね: 1人

    1. お豆腐恋しいですよね。あと昔、福岡の祖母がお米を作っていて、「精米したてよ!」とその年の新米を炊いてくれた時の美味しさ!こういうのは日本ならではでこっちでは味わえないなーと。
      そういえばフランスで生ハムを食べた記憶がないかもしれない…どちらかと言うとパテ類(カーンパーニュとかウサギとか鴨とかとにかく楽しくなっていっぱい買っちゃう)に食いついてうふうふ言ってます。
      ワインの感想はソムリエ的な表現が書けないので自分流の言葉なので恥ずかしいですがそんな風に言ってもらえると嬉しいです!😊

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      1. nikonikomaison より:

        そうそう、お米もね。日本で美味しいお米をこちらに持って来ても、水のせいかな?炊いても同じ味にならない。フランスにも生ハムはたくさんありますが、それよりソシソン(日本語でいうサラミの細いやつ)の方がもっとあるかも。あと、確かにパテ類も多いですね。逆にイタリアではパテ類に遭遇したことがないかも。。。隣国で似ているところもたくさんあるけれど、違うところもいっぱいありますねぇ。

        いいね: 1人

      2. あぁ、なるほど、水。料理の要ですよね実は。パン作りでも何か変わるし。
        フランスってなんでも美味しくていいなぁって思ってますけど、唯一…メニューにパスタが付け合わせ的にのってようものなら絶対それはオーダーしません(笑)フランスのパスタだけは、残念なお味ですよね😂

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      3. nikonikomaison より:

        アルデンテの逆が好みで、ロングパスタをナイフで切って食べる人たちですからね😌。ただ最近はホンモノのイタリアンレストランも増えて来ているので、何年かするとフランスでも美味しいパスタが食べれるようになるかも???

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      4. イタリア人が悲鳴をあげそうな食べ方ですね(笑)

        いいね: 1人

      5. nikonikomaison より:

        日本人の私からしても、わかっていても、なんだか毎回びっくりしてしまいますもの。

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  4. イタリアに住んで17年になるんですね!!
    もう立派なイタリア人ですね(^^)/

    生ハムおいしそう~~!!
    もちろんワインも(^.^)
    イタリアの美味しいワインと食!!
    大満足だったということが表情から伝わってきました~(*^^)v

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    1. 気づいたらもうそんなに経ってて自分でもビックリです。
      立派なイタリア人(笑)他の州に行くと「キミ、トスカーナから来たでしょ?トスカーナ訛りがあるよ」と指摘される片足フィオレンティーナ(フィレンツェ人)にはなったかもです笑

      コロナのせいで畑の様子や生産者さんに直接会いに行けない時期が長かっただけに再会できるのが本当に嬉しくて、正直半泣き(いい意味で)でした笑

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      1. トスカーナ訛りがあるって、カッコいい~!!

        会えなかった分、会えた時のうれしさが倍増ですね(^^)/

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