Vinitalyの裏イベントNatural Born Wines 2022年

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2019年のVinitalyヴィニタリーを最後にパンデミックで止まっていた時がまた動き出しました。

ワインの国際見本市で最大のイベントとも言えるヴィニタリーが4月10日〜13日まで4日間ヴェローナで行われる中、正統派とも言えるヴィニタリーとは別にナチュラルワインの試飲会がヴェローナ近郊でも行われます。

有名なVinNaturヴァンナチュールやVini Veriヴィーニ・ヴェーリがある中、Natural Born Winesナチュラル・ボーン・ワインズという初耳な試飲会も。

本当にワインのお祭りです。久しぶりということで生産者側もワイン関係者側も気合いが違います。

今回は諸事情でこの新しいNatural Born Winesへ行ってきました。

大体、試飲会の生産者参加リストを見ると最低4〜5社は知っているはずなのに、なんと今回の試飲会は知ってるところはゼロ!

下調べですでに面白そうなところがあったので、これはもしかして素敵な出会いがあるかもと期待していたら…

今までのどんな試飲会とも違う、面白い生産者たちにたくさん話を聞くことができました!

ヴィニタリーではそれなりの大きさがあるワイナリーだったり伝統的なワイナリーなんかがブースを持つ中、同じヴィニタリー内にもビオコーナーやVivitというナチュラルワイン生産者コーナーもあるものの、やはり中にいるのは大御所・正統派・パイオニアなのかなという印象。

VinNaturヴァンナチュールやVini Veriヴィーニ・ヴェーリは小さな生産者たちがいますが、それぞれの協会には畑の段階から醸造の段階まで色々な決まりがあったり検査もあったりします。また以前、人数制限でもうこれ以上は協会に加入できないらしいところもあるなんて聞きました。

要するに、新参者が入る余地があまりない世界なんですね。

ところが!このNatural Born Wines、若い生産が集まっていたのです。もちろん昔からずっと作っているというような人も。でも普段試飲会に出てこないような人たちがここに隠れていました(笑)

会場のVilla Boschiヴィラ・ボスキ

一目散に会いに行きたかったのはピエモンテ州でなんとズラリーナ種を植えたご家族!

Cascina Val Liberata カシーナ・ヴァル・リベラータ

癒されるような笑顔の二人

イタリア人の旦那さんとアイルランド人の奥さんと可愛らしい娘さんたちが来ていました。

8年前ににブドウ樹を植えてアイルランド人の奥さんはそのためにイタリアに引っ越したそう。

ズラリーナ種は何回かブログでも登場させていますが、ピエモンテ州の一部の場所にしか残っていない原種に近い黒ブドウで、扱いも難しくブドウから搾汁できる率も低いため少しずつ忘れられている品種。この品種に一目惚れし自分達もズラリーナのワインを造りたいと思ったそうです。そして何を隠そう、私の大好きなブドウでもあり、大好きすぎて現在庭で育て始めた品種でもあります。

話を聞くとなんと、醸造はイウリさん(私がズラリーナの枝を譲り受けた生産者)のところでセメントタンクを借りて行っているそう。

めちゃめちゃお友達の輪の中でした(笑)

2016年に植えて、初ヴィンテージは2018年。2020年から垂直試飲させてもらいました。

2020年は若くて私の知ってるズラリーナとまた違う印象。ところが2019、2018にたどり着くとあの独特の香りや口の中に黒い果実やカカオの粉の様なニュアンスが出てきました。

この品種は毎年全く違う育ち方をするし、ワイン自体も寝かせる可能性がどれだけあるかまだ未知数。

この先がとっても楽しみな目が離せないワイナリーに出会ってしまいました!

Monteremi モンテレーミ

お次は、ブルガリアの生産者。音楽家だったのにワイン愛から自分で1haにも満たない畑にピノ・ネーロ、サグランティーノ(多分ウンブリア州以外でこの品種があるところはほとんどないです。)、ゲヴェルツトラミネールを植えて限定本数しかないワインを造っています。

ピノ・ネーロを自分で植えたと聞いた時の私の食いつき様は想像できるかと思います(笑)

丘の上にあるため、上部は砂質、中部はシルト・石灰質、下部は粘土質になっていてそこに植えられているピノたちは全て一緒に醸造されています。

なので地質による味の違いは試飲できませんでしたが(流石に量が少なすぎますものね💦)

中部にいるピノたちが、クローンも台木もほぼ同じなのに、一番元気で樹勢もいいそうです。

また二種持っているクローンを比べると(115と777)ブドウだけ味見すると風味や味も違い赤い果実感があるものと濃い黒い果実味がある方と差がやはりあり、熟成も2〜3日ずれがあるそうです。

自ら植え、毎日木と接している生産者の人と話しているのはやはりとても面白いです。

2019年のピノは3−4日間浸漬、1年半木樽熟成(7年落ちのバリック)。果実味があるものの、やはり寒さが影響しているのを感じるピノ・ネーロ。いつも知っているトスカーナともブルゴーニュとも違うピノ。うーん、面白い!

彼のサグランティーノはパッと目が開くような味、そして遅摘みのゲヴェルツトラミネールも香りが開いていて素敵でした。

Josef ジョセフ

ルカさんはロンバルディア(ミラノのある州)ガルダ湖の近くでワインを造っている生産者。1922年に植えられた古いブドウの木も持っている彼、その畑には他にも350本様々な果実の木があるそう。昔はブドウの木の間に他の作物を育てていたのが普通。畑とは「エネルギーを作り出す場所」選定した木の枝が火を起こし家を温め、収穫した作物を食べ人はエネルギーに変換する。そんなディープな話がのっけから始まります。こういうの大好き(笑)

ナチュラルワインは今、ブームと言っていいほど一般の人にも浸透しているのが伝わります。

大きなワイナリーも造り方を見直していますが、ルカさん曰く「大きいワイナリーまでもナチュラルにワインを造って、それで美味しいのができた時、僕たちみたいな小さな生産者が一線を引くことができることといえば、それはクラフトマンシップ(職人技)だと思うんだ。僕はワインを造る段階で限りなく電気の使用をゼロにして全て手作業ですることにしたんだ。」と

全部手作業!!!!!!!!

それ、うちの実験と同じってことですよね。私たちがやるのはせいぜい3−4箱、彼の畑は5haですよ!?

経験しているからわかるけど、手作業でってその大きさは無理です!と一瞬思いました。

選定鋏から電動はなし。温度コントロールもなければ、茎取り作業もピジャージュも全部手でします。

それでできた、ガルガーネガの泡、酸味が立っててうまい〜!黒ブドウでできてるロゼのような赤ワインも、茎を100%使っているのもあるからかグリーンな草のようなニュアンスがあり、アセロラの様でもあり、彼ワールドの立った酸味含め個性があっていいです。

この時、実はルカさんのワインが大好きなインポーターさんと一緒に試飲させてもらって(1時間ぐらいずっと)彼のワインが大好きで、是非自分の国のみんなにそれを伝えたいというのがわかるとっても素敵な方でした。こんな風に表面だけでなくて、生産者の全てをちゃんと消費者まで届けようとしてくれる人って、生産者にとっても消費者にとっても大切だなと改めて思いました。

この後、試飲した赤も面白いしおいしかった。なんとズラリーナが一部入っているのだとか(100歳で台木がアメリカのものでなくオリジナルのもの!)

軽く軽く、でもズラリーナのカカオ粉のようなタンニンも少し。前日開けたものと開けたばっかりのと比べてももう変化を感じる「生きてるワイン」でした。

フランスのラングドックからも面白い生産者が。

Domaine Stephane Delettre 

ぜーんぶカベルネ・フラン。白ワインもロゼも含め。カベルネ・フランのいろんな可能性を模索しているような感じ。最後の赤ワインのクリュ(単一畑のブドウから醸造した)が一番好きでした。全部のワインラベルとコルクに彼の顔があってその後ろに同じ顔のステファンさんがいるのがシュールで面白い光景でした。

また、アルザスでりんごを栽培している親戚がいて、そこから二十種のりんごを使ったシードルとなんと白ワインも造っています。りんごの白ワイン…白ワインです。いろんな種類のりんごを使っているからかいろんなニュアンスが混ざり合ったようなワインになっています。

会場にはキウイからワインを造っている生産者もいたみたいですが残念ながら会えませんでした。

書ききれない感じですが、あと二人、若い生産者でなんと二人とも2020年からワインを造り始めた生産者。

Franchina e giarone フランキーナ・エ・ジャローネ

一人はエミリア・ロマーニャ。なのでランブルスコですね。トレッビアーノから造った白ワインもあり、どれも元気があって口の唾液が出るようなワイン。ちなみにグラフィック系の仕事をもともとしていたのでラベルは自分でデザインしたそう。すっかりお友達になりました♪

どのラベルも個性があって、一発で彼のだとわかるアイデンティティーがあって素敵。

もう一人は彼が「絶対面白いから味見して!」と普段はあまりチェックしないプーリア州のワイン生産者のもとへ。

Loco ロコ

南の暑いワインかと思いきや、全然っ!

話を聞いていると…なんといつかワインを造りたいと思っていたヴィットリオ、彼女さんがガレージを見つけてきて「ここでワイン造れるよ!」と勧められ、2020年に本当にガレージワインをつくり、なんとそれをすでに売っているんです。

す…すごい…

「パッスィオーネ(情熱)だよ!」と何回も言っていました。

私たちだってパッスィオーネなら負けませんよ(笑)

「実は私たちも家で造っているんだ、今年土地を手に入れたんだ。」と話が弾んでしまいます。

赤い粘土質の土地。ブドウはまだ買っているけど自分で選定し、今はガレージからもう少し大きなスペースへ移動したのだとか。茎を分ける道具を自分で造っていたり、ステンレスタンクやアンフォラが届いた様子など見せてくれました(しかもアンフォラ運んでる時倒れてヒビ入ったって😱)リアルすぎて身近すぎて試飲もとっても面白かったです。私たちが造っているワイン(彼氏くんの名前にちなんでタツワインと呼んでいます)にどれも何かが似てるんですよ(笑)

南のワインはアルコール度数をあげて、ガッツリ果実の濃いのを造って北のワインに混ぜるために運ばれていたのが昔からの習慣。そのまま飲まれるワインは造っていなかった歴史。それを変えたい、それが彼のワインにも現れています。早めの収穫からくる酸味のキリッと立ったワインたち。若いしまだ若干安定しているとはいえないかもですが、簡単に売ろうと誤魔化してるそこらへんのワインなんかより全然おもしろい。なんたって「パッスィオーネ」が詰まってるワインです。

エネルギーをすっごくもらえる、今までで一番お友達がたくさんできた試飲会でした。

余談ですが、この期間、大好きなナチュラルワインの生産者のイ・マンドルリのマッダレーナは今回は「もうワインないのよ。あはは」とお祭りから遠く、のどかな自宅でワンちゃんや自然に囲まれていた様です。同じようにステファノ・アメリーギも不参加。

小さい生産者ながら彼らのようにすでにボトルが売り切れになっていたり、思うところが色々あったりするとお祭りには不参加の様です。

大きなVinitalyの裏に隠れている生産者たちの方が私はなんだか、楽しくおしゃべりして感動できるワインがあるのかななんて思いました。

6件のコメント 追加

  1. Masa より:

    面白いね。個性があってpassióneがあって哲学があってそういう世界であってほしい。今度詳しく話聞かせて

    いいね: 1人

  2. 是非是非今度またご飯しよう!今までである意味一番面白い試飲会だったよ!

    いいね

  3. KYO より:

    Natural Born Wines!
    聞くだに楽しそうなイベントですね。
    お初生産者ばかりということでしたが、楽しい出会いが沢山あったようですね😊
    みなさん、笑顔がとても素敵で、良いですね。
    naturalwinetuscanyさんのおかげで、イウリさんのワインやズラリーナ種のワインと聞くと、飲んでみたい!と思うようになりました😊

    いいね: 1人

    1. KYOさん、こんばんは!とっても嬉しいコメントありがとうございます😊
      今回は本当に畑まで会いに行きたい生産者との貴重な出会いがあるいい試飲会でした。
      そしてそんな喜びや、ワインって、飲み物にとどまらない深ものなんだっていうのが届いたらいいなと思って書いているので(ただ飲むワインと、生産者の顔を知ってる飲むワインって別格に感じます)本当に嬉しいです!ありがとうございます😊

      いいね: 1人

  4. saganhama より:

    こんばんは(^^)
    ナチュラルワインの試飲会盛大に開催されて良かったですね。生産者の方の笑顔がワイン作りの自信を表してる様に感じました。

    いいね: 1人

    1. こんばんは!
      本当に、元気を分けてもらえるような笑顔の生産者さんたちばかりでした。同じものが(ブドウとか自然とか)好きだと波長が似るのかな、ずっとお話できる貴重な出会いでした😄

      いいね: 1人

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